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狩人の夜
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Ninth

日々観た映画についての記録と備忘録
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毛皮のエロス~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~ fur
 Cast

ニコール・キッドマン

ロバート・ダウニーJr.

タイ・バーレル


監督: スティーヴン・シャインバーグ




■Story

  1958年ニューヨーク。ファッション写真家の夫アランのアシスタントをしていたダイアンは、スタジオのあるアパートで開催されるショーの日、同アパートに引っ越してくる人物を見かけた。体はマントで、顔は帽子と布で覆い隠している男に目を奪われる。彼の名はライオネル。彼のことが気になって仕方がない彼女は、カメラを持って何度もライオネルの部屋の前までいき、ついに彼に招き入れられる。帽子も布もないライオネルの素顔は、全身、毛に被われた多毛症の男だった。









THE 目力対決(笑)


見てる間中、そんな事を思いながら見てた。

ニコール・キッドマンとRDJの目が印象的にクローズアップされるんですが、2人ともハンパない目力ですね。

ニコールのグリーンかかった青い目と、ダウニーの顔全体が毛で覆われたり、マスクから覗く真っ黒な目が印象的に撮られてます。

そういう意味で2人ともハマり役だと思います。


個人的には毛で覆われてた時の方がRDJのファニーでキュートな魅力が引き立ってて好きです(笑)

普通なら「アレ」は怖いと思うんですが、ちょっと垂れ目気味で悲しそうにも優しそうにも見える黒い目をしたRDJなので妖しくは感じても怖そうな感じはしないんですよね。

ニコールは引く手あまたなトップ女優だと思うんですが、この映画を見て彼女の存在感に感心させられました。

作品自体はこじんまりしてますが、ニコールには最近の女優にはない「風格」と、私が女優に必要だと思っている少女性と大人の女性性の両方を兼ね備えているのがよくわかりました。

美人すぎて損してる人だなぁ・・・・




タイトルは扇情的ですが、ニコール・キッドマンとRDJだからそんなに下品な作品じゃないだろーなーと思ってましたけど、耽美でポップな作りでホッとしました。

と言っても全然エロくない、と言う訳ではなく前半はセックス描写が無いにも関わらず、漂い匂わせるエロティックさ、そして後半では剃毛シーンがとてもエロティックでした。

私はこの映画を見ていて、ライオネル@RDJは実際にいなくて、もう一人のニコール@ディアンなのかな、とずっと思いながら見てました。

つまり、自分を抑圧してきたニコール@ダイアンが自己の欲望を明確に見つけて、やりたい事に近づくお話だと。

ライオネル@RDJに近い、彼女にインスピレーションを与えた人物は複数いて、その集合体が彼女の妄想の中でのライオネル@RDJなのかな、と。

なので後半の剃毛シーンは、彼女が己の欲望を剃り落とし、裸の自分を再発見する意味で、2人が身体を重ねるシーンは分離していた異質な自分(ライオネル@RDJ)と現実社会で生きる自分(ニコール@ダイアン)が融合するシーンなのかなぁ・・・とそんな感じで見てました。

なのでライオネル@RDJが死ぬ運命なのは当たり前なんですけどね。





あ、そうそうこの映画は実際の写真家ダイアン・アーバスをモデルにインスパイアされて作られた様です。

過去にダイアン・アーバスの写真集は見ておりました。

図書館にあったし、私も写真は好きなので彼女の作品はやっぱり有名なのでよく目につきましたから。

彼女の作品はフリークスやちょとと見た目が違う人達を多くとった訳ですが、そんな私もダイアン・アーバス同様に「彼ら」に惹かれていたから写真集を手に取って見ていたんだと思います。

そういう物に惹かれる理由を理論的に説明するのは非常に難しいのですが、そういうのに興味があると言うのは、やはり世間一般的には「異端」の目で見られるのでそういう自分を隠したり抑圧していかないと生きて行く事はできないと思うのです。特に女だと。

なのでなんとなく共感とはちがいますが、分かる様な気はします。

ただライオネル@RDJがニコール@ダイアンに「本物のフリークスを見るのが好きだ」と言うのはニコール@ダイアン自身の事だと思います。

だからニコール@ダイアン自身も自分がフリークである事を自覚しているんですよね。


映画では前半部分で彼女の才能がありながら夫の助手しかできない立場や(あの時代の女性でカメラマンとか独立した仕事につくのは不可能だと思う。前半では良妻賢母の呪縛に囚われてるし)俗物的な両親との確執が描かれていて、それがライオネル@RDJと出会う事でどんどん解放されていくのが上手く描かれてます。

彼女の着る服装がきっちりした服装ではなく、軽やかな少し胸元のあいた服だったり、髪型も少女の様な地味な頭から女性的に柔らかくおろしたヘアスタイルだったし、ライオネルと知り合ってから夫がヒゲをもしゃもしゃはやし始めたのは対抗意識みたいで笑った。


と、前半は良かったんですが、ライオネル@RDJがニコール@ダイアンの家に出入りする様になってからちょっと映画が失速した感じ。

この編はもっとカットしたりしてもいいと思った。

90分位の映画にまとめられたと思います。


で、この映画は後で知った事ですが、監督が「セクレタリー」の監督なんですね。

どうりで衣装や小道具が可愛いと思いました。

ニコールの衣装やら、ライオネルやニコールの部屋の家具やら小道具が可愛いんですよねーーー

ウサギとか印象的に使われてるし。

前半ライオネルの巨大風呂で一緒に入るシーンでの目隠し、あれも可愛かったしエロティックだった。

後半の剃毛シーンもなすがままのRDJが子供の様な目でダイアンを見つめていて、ダイアンの欲望がやっとオープンになるんだなーって感じでエロティックでした。




で、映画はオープニングシーンでのヌーディスト達のコミュニティーに戻り、終わる訳ですが、すぐにカメラを向ける訳ではなく、被写体の中に入ってコミュニケーションをじっくり取るという彼女のスタイルがまたいいな、と思える終わり方でした。


| 映画*K | 20:54 | comments(0) | - |
シャッター・アイランド*2010アメリカ Shutter Island
 




Cast

レオナルド・ディカプリオ

マーク・ラファロ

ベン・キングズレー

ミシェル・ウィリアムズ

エミリー・モーティマー

パトリシア・クラークソン

マックス・フォン・シドー

ジャッキー・アール・ヘイリー

イライアス・コティーズ



監督: マーティン・スコセッシ

原作: デニス・ルヘイン


■Story

1954年、失踪した女性患者の謎を探るためにボストン沖の孤島に建つ犯罪者用精神病院を訪れた米連邦保安官テディ・ダニエルズ(ディカプリオ)に次々と不可解な出来事が起こる。





原作は3年程前に読了。

世間ではこの小説はミステリに入るかもしれないけど、私はヒューマン物として読んでました。

なので映画も多分そういう作りになるだろうな、と予想(ミステリとは程遠いのスコセッシが監督だし)

私的にはあの原作をどういう風にミステリーとは無縁な感じのスコセッシ監督が作るのかと興味があった訳です。


えーと、まずこの映画って日本での売り方が間違ってますよね;;;

トリックがどうとか超吹き替えがどうとか・・・・そういうお話じゃないと思うんですよね。

ただ映画オープニングで「結末は言わないで下さい」とかご丁寧に出てたんで、こちらもネタバレは避けますが・・・結構分かりやすいと思うんですよね。

特に小説と違って映像で見せる事によって、最初の船に乗って島に向かうシーンからして分かる人には分かるかと・・・

特に小説では特に気にしてなかったんですが、チャック@ラファロが精神病院に入る時に拳銃をモタモタ出してるシーンが分かりやすすぎるwwww

つかチャック@ラファロは目が本当に雄弁すぎてこれはミステリじゃねぇな、と思うwwww






執拗に繰り返される、主人公テディの軍隊時代のトラウマシーン。

血まみれの親子、血まみれの妻・・・やはりそういうテディの苦悩がスコセッシ監督だとクローズアップされるんですね。

そして調査に出た島でも、ドイツ人の医師がいてテディのトラウマを刺激したりと・・・


映像の作り方がとても50年代のハリウッド映画っぽいなーと思いました。

クラッシックムービーを見ているような・・・

「ケープフィアー」に近い感触を覚えました。


ドイツナチス軍に一斉に発砲するシーンや血まみれの親子、そしてラストのテディの妻と子供たちのシーンなど、映像的には好きな部分もあるんですが・・・・ちょっと冗長に感じました。

もうちょっとメリハリの効いた演出なり脚本がいいんじゃないかな・・・・

ジャッキー・アール・ヘイリーの役とか、あまり重要な役とは思えないのに、ジャッキー・アール・ヘイリーのせいでやたら印象強すぎるしwww



原作は主人公テディの悲しみとか心に寄り添えたんですが・・・映画でのテディはちょっとあからさまにヤバくし過ぎだと思います(笑)

テディを演じたディカプリオはちょっと原作のとイメージが違うんですよねーーー

演技は上手いとは思うんですけど、イメージが違うからそこん所はどうにもしがたい。

いくら渋くなっても童顔ですし・・・・童顔で顔がむくんでるから余計なんか異様だし(笑)

小説を読んでる時はアンソニーエドワーズみたいな金髪(今のアンソニーエドワーズはハゲてますけどw)長身、スマートで、一見ソフトなイメージがあったんですよね。(でも切れると怖い、ってタイプ)

逆にマーク・ラファロは最後のオチの部分も含めてどんぴしゃだなーと思うのは贔屓目ですかね。

原作でもマーク・ラファロ@チャックは非常に重要な役で、最後に切なくなる様な手紙を書いてるんですが(映画ではカットされてますが)そういうウェットな部分をこの映画は殆どとっぱらってただただ暴力的になってるのが多分、私的には不満なのだと思う。

殺伐としすぎて、ラストのテディ@ディカプリオの台詞「狂人として生きるか、善人として死ぬか。」が生きて来ないのがまた悲しい・・・




脇は男も女もかなり名優揃いですね。

みなさん重厚感溢れる演技してて良かったです。

それにしてもイライアス・コティーズは最近私が見る映画によく出てるなぁ(笑)




| 映画*S | 18:58 | comments(0) | - |
月に囚われた男*イギリス2008 MOON



 ■Cast

サム・ロックウェル

ケヴィン・スペイシー(声の出演)


監督 :ダンカン・ジョーンズ

Story

近未来。地球に必要なエネルギー源を採掘するため月にたった一人派遣させられた男、サム。会社との契約期間は3年。地球との直接通信は不可。話相手は1台の人口知能ロボットだけ。そして任務終了まで2週間をきり愛する妻子が待つ地球へ帰る日が迫った時、突然幻覚が見え始めサムの周りで奇妙な出来事が起こり始める――。なぜ自分しかいないはずの月に、自分と同じ顔の人間がいるんだ? なぜ俺は地球に戻れないんだ? そしてなぜ俺は――








予告編を見て、おもしろそうに感じて鑑賞。


予告編ではなにやらサイコサスペンス?とかちょっと心理的に怖い感じに作られてましたが・・・・

意外や意外、本編はそういう私の予想を通り超えてオーソドックスでストレートな内容でした。

近未来のSFモノと言うと「CODE46」みたいな映像もストーリーもひんやりした内容かな?と思ったけど、これも予想に反してヒューマン物でした。

映像も近未来にしてはちょっとしょぼい?(笑)と言うか(最近のSFアクション大作に慣れると余計そう感じるかと)妙にアナログな感じでロボットやマシーンのデザインもレトロな感じなんですよね。

でもそこが味わいがあって、ロマンティックで哀愁のあるお話と合ってたと思います。


おおまかな雑感だと、お話自体はいいんですが、ちょっとテンポが悪いと言うか眠くなる感じの・・・・ダラッとした撮り方が気になります。

睡眠不足だったからかもしれませんが、結構中盤は眠かったですw

もうちょっとその辺が、テンポよく撮ってもらったらいいなーと。

しかしラストの30分でガーーーッとテンションあがります。

主人公の悲しみに共感でき、幸せになって欲しいと願う事でちょっとドキドキしながら見てました。


正直ネタバレになので、あまり感想を書けないのですが、キャストはサム・ロックウェルのみ、です。

他にもまぁテレビに写る会社の役員やら家族が写りますけど、ほぼ90分サム・ロックウェル一人劇場ですが、ラスト20分になるとサム・ロックウェルでこの役良かったなーと思います。

あと声の出演でロボット役にケヴィン・ スペイシーが出演してますが、これがまた声がいいんですよね。

いい俳優はつくづく声も台詞のトーンも耳に心地良いな、と最近感じます(マーク・ラファロとかロバート・ダウニーjrとか)

このロボットがいい役なんですよねーーー

ロボットのモニターに、台詞の表情としてスマイル君みたいなイラストで笑顔だったり、泣いたりしてるのが出て来るんですが、これがまた可愛いくて妙に哀愁漂ってる。







私は白いロボットと言うと「2001年宇宙の旅」を思い出して、いつこのロボットが暴走するのかとドギマギしてたんですが(笑)そういう内容ではなかったです。


人間を搾取するのは人間であって、でも決して人間らしさを忘れちゃいけないんだなーと言う・・・とても今にあったお話でした。

見終わった後は、なんだかいい気分になれた。


傑作とまではいきませんが、なかなかの佳作だったと思います。

もの悲しそうな、でも綺麗な音楽が良かったです。


あ、音楽と言うと、監督はデヴィッド・ボウイの子息らしいですが、そういう肩書きはこの映画を見ると必要ないと思います。







ネタバレは続きからどうぞ

続きを読む >>
| 映画*T | 17:59 | comments(0) | - |
ぐるりのこと。*2008日本
■Cast
 木村多江 
リリー・フランキー 
倍賞美津子 
寺島進 
安藤玉恵
八嶋智人
寺田農 
柄本明

監督 : 橋口亮輔


■Story
「お、動いた!」小さく膨らんだお腹に手を当て、翔子は夫のカナオとともに、子を身籠った幸せを噛みしめていた。しかし、そんなどこにでもいる二人を突如として襲う悲劇…初めての子どもの死をきっかけに、翔子は精神の均衡を少しずつ崩していく。うつになっていく翔子と、彼女を全身で受け止めようとするカナオ。困難に直面しながら、一つずつ一緒に乗り越えていく二人…。






「ハッシュ」以来6年もたってたのかぁ〜〜〜 
しかし出来るべき時に産まれた作品って感じが非常にしました。 

「ハッシュ」ではゲイカップルに独身女が子種(なんか違うような気もするが…)を要求しつつも3人の間に不思議な繋がりが…といったストーリーを家族というテーマで描いてましたが、今度はストレートに「夫婦」から切り込んできましたね。 
そこに夫の「法廷画家」と言うちょっと特殊かつ、世相の縮図みたいな職業が密にからみ合って、単純な夫婦関係と言うより人間と人間の繋がりとは、みたいのを感じました。そこいらへんが「ハッシュ」の進化形と言うかゲイの監督ならではかなーと思います。 


なんとなく「夫婦」って形を描くときって、「男とは」「女とは」「妻とは」「夫とは」ってテーマが全面に出て来そうなんだけど、そーゆーのよりも2人の繋がりとか絆を強く感じた。 
まぁつまりやっぱり社会的な役割とかよりも、最期に人の心に残るのはどれだけ誰かと繋がりあえたかと言う非常にセンシティブな目に見えにくい事象が大切なんだなぁと思った。 

それと真逆なのが、法廷に加害者として出てくる凶悪犯人達の殺伐とした言動。 
新井浩文演じる神戸児童殺傷事件の犯人(この人、またこんな役やってるよー)とか加瀬亮演じる宮崎勤の異様さ残虐さは人間関係がうまくいかなかくなった果ての姿に思える。 
(片岡礼子演じる音羽幼女殺害事件の犯人もかなりインパクト強い。最初、片岡礼子って全然わかんなかった位、地味で消え入りそうな「ごめんなさい」って言葉が…) 
そんな人間どころか社会からも断絶してしまった人たちをスケッチしてきた夫、カナオの心境ってどんなんだったのだろうと思う。 
殺伐としちゃいそうだけど、カナオの自然体な姿には全てを受け止める度量がある。 
だからとうとう嵐の夜に欝で苦しんでいた妻、翔子(木村多江)が爆発した時のカナオの言葉は重みもあるし、素晴らしい言葉だと思った。 

『大切な人はずっと大切にすればいい』 

こんな事わかっているのに、この言葉聞いたときすっかり忘れてしまっていた自分に驚いた。そんな感じで例えばベランダから差し込む太陽の光が美しかったり、その光に照らされた葉っぱ達の自然なグリーンカラーの美しさ、そしていつも隣にいる人の横顔が愛おしく感じたり、と仕事で忙殺されてすっかり忘れていた事に気付かされたた映画でした。 


木村多江とリリーフランキーはベストカップルでした。 
演技の相性も良くって映画の雰囲気とも非常に合っている。 
美男美女じゃないけど、なんて素敵なカップルなのかなぁと思わせる。 
リリーさんのナチュラル男前演技(情けないけどこの役ってかなり理想の男像だと私は思うの)も素敵ですけど、木村さんの表情まで変わっていく演技は見とれてしまいました。 
| 映画*K | 16:45 | comments(0) | - |
イースタン・プロミス*イギリス+カナダ+アメリカ2007 Eastern Promises
■Cast
 ヴィゴ・モーテンセン
 ナオミ・ワッツ
 ヴァンサン・カッセル 
 アーミン・ミューラー=スタール 
 シニード・キューザック

監督 : デヴィッド・クローネンバーグ 


■Story
病院で働くアンナの下に、一人の少女が運び込まれる。意識を失くした少女は、女の子を産み落とし、息を引き取る。バッグに入っていた手帳にはロシア語で日記らしいものが書かれており、少女がロシア人であることが分かる。手術に立ち会ったアンナは、少女の身元を確認するため、ロシア料理レストランのオーナーに相談すると、自分が日記の翻訳をしようと申し出る。






とりあえず、ヴィゴ萌えが落ち着いて来ました。 
なんかも〜物語の本質が監督と私のヴィゴ萌えのせいで全く頭にはいらなかったwww 
ただ前作「ヒスバイ」同様、何がいいたいのかはっきりしないと言うか…貧しい東欧女性の売春と言う社会問題がメインテーマなのか、家族愛なのかはたまた闇の世界に生きるロシアンマフィアを描きたいのかないまいち軸がぶれてる気がした。 
それもこれもヴィゴが魅力的すぎるからだと思う!(笑) 
監督、ヴィゴに魅了されてます。 
私もナオミ・ワッツもヴァンサン・カッセルもそして監督自ら、みんなヴィゴに惑わされてるから。 


サウナシーンは想像以上にすごかったですね。 
裸で格闘してるとは聞いてたけど、敵が拳銃でなく刃物使いのせいか、生身の肉体、っつー事を激しく感じられた。 
肉に食い込む刃、殴打される体、タイルに投げ飛ばされるショットだけでも痛烈な痛みを視覚的に感じた。 
なによりもヴィゴの肉体は、監督の視線、視覚から感覚を味合わせようとするもくろみに見事に敵ってると思う。 
監督は絶対的なビジュアリストだと思う。 
そして最近の「本当に痛いの?」と思わされる過激でエスカレートしていくバイオレンスとは違う、本当に痛そうな痛みが見てて感じます。
こういう「痛み」をちゃんと描ける部分は私好みです。



はぁ〜しかしヴィゴ、カッコよかったわ〜 (結局それか)
ヴァンサンカッセルも久しぶりによかったし、ナオミワッツは清潔感ある美貌。 
美女っバイクってセクシー。


ヴァンサン・カッセルの役はちょっと複雑な役ですよね。
こういうマフィアの世界って「男らしさ」マッチョイズム万歳!な世界で、父親にいつもそういう部分で詰られてる役なんですが・・・・意気地のない自分に鬱屈してる感じなんですよね。
ヴァンサン・カッセルの役がゲイなのかなんなのかは明確にはされてないですけど、そういう「揺らぎ」的な部分も面白く見れました。

まぁ結局この映画は監督も含め、みんなヴィゴに惚れてるって事ですよね!www


所で2が製作される、ってマジですか〜〜〜〜〜
| 映画*A | 16:32 | comments(0) | - |
ダークナイト*2008アメリカ+イギリス The Dark Knight
■Cast
 クリスチャン・ベール 
 ヒース・レジャー
 アーロン・エッカート 
マギー・ギレンホール 
 ゲイリー・オールドマン 
 マイケル・ケイン
 モーガン・フリーマン
アンソニー・マイケル・ホール
エリック・ロバーツ
キリアン・マーフィ
ウィリアム・フィクナー


監督・脚本 : クリストファー・ノーラン


 ■Story
ゴッサム・シティーに現れた最悪の犯罪者ジョーカー彼は、マフィアたちに成り代わってバットマンを追い込む“ゲーム”を開始。それは「バットマンが正体を明かさなければ、毎日市民を殺す」という卑劣なルールで、戦いの中ゴードン警部補も凶弾に倒れてしまう。ブルースは遂にバットマンの正体を明かすことを決意。記者会見に登場しようとするが、それを制したのは新任検事で“光の騎士”と慕われるデントの意外な行動だった……









体調良くない時に見ちゃったけど、噂にたがわぬ「すごい」映画でした。 
アクション映画というよりもひどく哲学的な映画だなぁと感じた。 

メイン登場人物は三人。 

前回から主役だったバットマンことブルース・ウェイン。 
今回初登場の「光の騎士」と呼ばれる正義の検事、ハービーデント。 
そして理論も何も通じない、究極の悪、ジョーカー。 

この三人の行動が非常にスリリング! 
ハービーことトゥーフェイスと言えば、原作でも重要な悪役。 
映画の中ではいったん死亡してますが、続編出たら(出るの?)復活すんのかな。 
アーロンエッカートが正義感が強いながらも、気性の激しいハービー役にぴったり。(この激しさが後々あんな悲劇を産むと予感させるのがうまいなぁ) 
アメリカン!な雰囲気が合ってる。そしてさらさらな金髪も! 
周りが(ヒロインすら)ダークヘアが多かったから余計ひかり輝いてるように見える。 
そんなだから後半の悲劇性が活きてくる。 
コインの裏と表、なんて小道具が非常に興味深い。 
こんなトコも「アメリカ」を象徴してるなぁ 

そして絶対悪のジョーカー。 
アルフレッドが語る、「盗賊」の話がぴったり当て嵌まる。 
金が欲しい訳でも支配したい訳でもない、全く道理が通じない。ただただ人間が悪に染まるのが見たい人。 
キチガイだけどバットマンに語る言葉は理にかなってる所が怖い。 
ヒース、この役にのめり込み過ぎてあんな事態になった訳だけど、正直ヒースが演じてると言わなきゃわからない。 
話し方はもちろん、声、歩き方、姿勢全てが別人みたい。 
顔が白塗りなのも「個人」っていうより悪の象徴みたいだ… 
滑稽だけど空恐ろしい… 
ヒースの役者としての才能は素晴らしい 
もっと色んな役や映画で見たかっただけに…今ても信じられません。 


バットマンことブルースも今回更に苦悩してて、その悩みもナルホドナ〜と複雑化した正義と悪について考えさせられました。 
決して殺さない、悪は法の裁きを、と考えるブルース。 
しかしそんな倫理感強いブルースもジョーカーを捕まえるため、全携帯を盗聴したりと、まったく今現実社会とリンクしてる行動にドキリとさせられた。 
正義が強ければ悪も対抗するようにエスカレートする。 
果てなき戦いに挑む闇の騎士は、闇の住民だからこそハービーの罪を被り、追われ闇に消える… 

苦悩ばかりのヒーローだけど、ベールのキュートな笑顔にホッとさせられる(笑)
それと超端役なんだけど、オープニングのシーンで殺される銀行支店長役のウィリアム・フィクナーがインパクト強かったです。
役的にも殺される役とは言え、カッコいい役でしたけどもの凄いヒドい殺され方ですからね・・・
あのシーンは、これから恐ろしく残虐な事がこの映画で行われるだろうと予兆させてくれる印象的なシーンだと思います。
非常に恐ろしいバイオレンスシーンでした。
| 映画*T | 16:20 | comments(0) | - |
偶然*1981ポーランド
■Cast
 ボグスワフ・リンダ 
タデウシュ・ウォムニツキ 
ズビグニェフ・ザパシェヴィチ 
ボグスワヴァ・パヴェレツ 

監督&脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ



Story
ヴィテクは父の死によってその望みであった医者になることをめ、ワルシャワに旅立つ。駅に向う途中、ぶつかった老婆の手からコインが床を転がった。そのコインで浮浪者はビールを買う事ができた。だが、その浮浪者にヴィテクが激突しビールグラスが割れる。ワルシャワ行きの汽車に乗れた場合、警備員に制止された場合、そして乗り遅れた場合。3つの偶然がヴィテクを翻弄していく。

-------------------------------------------------

「もし、あの時、あの列車に乗っていたら…」
3つの運命、果たして彼にとっての“必然”はどれだったのだろうか。最後のエピソードではビールグラスは割れなかった。ヴィテクは幸福だった。だがラストは辛酸そのもの。物語が進むにつれキェシロフスキが描く“偶然”に圧倒される。実験的な内容にも関わらず、よく練り上げられた脚本が素晴らしい。本作は「デカローグ」や「トリコロール」のきっかけともいえよう。物悲しい音楽は「戦場のピアニスト」のヴァイチェフ・キラル。


「あの建物の陰に何があるのか、あの信号を渡ったらどなるのか…。私はそれが知りたいのです。たとえ分からなくとも、なるべく近寄ってみたいのです」
上記はキェシロフスキの言葉。
偉人の研ぎ澄まされた観点を思い知らされる。 





クシシュトフ・キェシロフスキ監督はすでに他界された監督なんですが、とても大好きな監督の一人です。 
透明感のある映像とストーリー、他人に対する深い洞察力を伺わせる人で、時には冷徹にすら見える視線ですが、ほんのりした優しさも感じられる。 
雪の降った翌日の朝の日差しのような・・・「空気感」をカメラにとらえることが出来る監督だと思います。 

このお話は「if もしも」という3つの仮説を一人のポーランド人の若者に演じさせてます。 

ワルシャワ行きの列車に乗れた場合 
間に合わなくて、警備員に捕られた場合 
間に合わなくて、見送りにきた恋人と再会する場合 


いずれも「運命」と言うのを強く感じた。 

当時のポーランドは政治的に共産主義がまだあって(今は・・・どうなんだろう)結構混乱している時代だから、いずれにしても若者は生きづらいんだろうな、と思わせる。 
3つ目の場合が一番幸せそうに見えたつかの間、ラストにあっけなく青年の乗った飛行機は爆発して映画は幕をおりる。 

いずれの3つも青年は時代のうねりに巻き込まれ、不幸に陥る。 
まるで「運命」だと言わんばかりに。 
そんな時代にどう生きるべきか、青年は自分の中の「同義」を信じていきようともがいている。 

長く政治的に抑圧されてきた社会性がポーランド映画にはどうしてもこびりついているな、と思う。 
それ故、心を動かされる映画が多いんだろうけど







| 映画*K | 16:17 | comments(0) | - |
さすらいのカウボーイ*1972アメリカ THE HIRED HAND
■Cast
ピーター・フォンダ
ウォーレン・オーツ
ヴァーナ・ブルーム
ロバート・プラット
セヴァン・ダーデン 

監督:ピーター・フォンダ 


■Story 
カウボーイのハリーは、7年もの放浪生活を終えて、妻子の待つ故郷に帰ってきた。しかし、平穏な生活を望んだ彼に、親友の危機の報せがもたらされる。ハリーは友を救うため、無法者との対決を余儀なくされるが……。アメリカン・ニューシネマの代名詞とも言えるP・フォンダ監督・主演による新感覚ウェスタンの傑作。2002年8月、デジタルリマスタープリント、ディレクターズカット版(91分)としてリバイバル上映。(all cinemaより) 










奇しくも先日「3:10 to YUMA」(邦題:3時10分決断の時←微妙な邦題)と言う西部劇を見たのですが、こちらも西部劇。 
しかも主演、監督のピーター・フォンダがYUMAでも出てくる! 
この映画もなかなかの傑作だった。 
特に主演のラッセルクロウとクリスチャンベールは最高だった! 
ラッセルクロウのフェロモンは本当にやばい(笑) 

とにかく映像が絵画のように美しい。(それもそのはず、映像美では有名な「天国の日々」の撮影監督が撮ったらしい) 
ギター音をベースにした音楽は涙がでそうな程これまたやさしい。 
だけどそんな美しい映像と音楽でありながら、内容は結構シビアと言うか見た後、やるせなく切なくさせる。 
しかしなんて美しい映画なんだろう。 
何度でも見たくなる。 

家族を捨てて、友人の男と放浪の旅に出てる男。 
そんな男も7年の放浪に疲れを感じて、妻と娘がいる家へと友人を伴い帰ってくる。 
夫の不在に不審感をあらわな妻は、夫を使用人として扱う。 
西部劇と言えば、男性がメインのお話で、この映画も一人のさまよい続ける男の話なんだけど、70年代と言うウーマンリブが盛んだった時代を反映するように、夫が不在の間も娘を守り、家を守ってきた力強い女性である。 
夫が不在の7年の間に、やるせなさから使用人の男をベッドに入れたことを悪びれなく告白する妻。 
だけど、戻ってきた夫の態度に次第にかたくなだった妻の態度はほぐれるものの、また自分たちを置いて放浪の旅に出るのでは、と不安に苛まされる。 
簡潔でくどくない台詞なのに、美しい映像で、妻役のブルームの視線の演技でそれが強く感じさせれる。 
すがるような視線が、強いけれどタフになりきれない女の弱さを露呈している。 
見ているこっちが切なくなる視線で、とてもいい演技だと思った。 

私としては、夫の強い絆で結ばれた男友達と放浪の旅にでる根なし草的な生き方も理解できる。 
何に対する責任も持たず、気の合う友人と旅をするのである。 
危険と餓えの隣り合わせであるが、家族という枷をもたないぶん自由ではある。 
一方で、妻は娘を守り家を守り、そんな無責任な夫をなじるのも理解できる。 
7年家出していて、疲れたから、と帰宅されても虫のいい話である。 
よくある男女の性差による人生観がよく出ている。 

ピーター・フォンダはかなり無口な役。 
妻の叱責にも耐えつつ、でも妻が他の男と寝た事実に揺れもする普通の男でもある。 
そんな二人を少し申し訳なさそうな目で見守る、夫の友人、ウォーレン・オーツ。 



この、ウォーレン・オーツ無茶かっこいい。 
人当たりもよさそうな気の良さそうな男である。 
気難しそうで、この映画ではびっくりするほど美しく撮られているピーター・フォンダの長年の「相棒」である。 
懐の深さが伺いしれる。 

カリフォルニアを目指すウォーレン・オーツに対して、ピーター・フォンダが「もう放浪はやめる。妻の元へ帰る」と言ったときの、子供のようにおどろいた、そして寂しそうなウォーレン・オーツの目。 

妻とピーター・フォンダの関係を考え、自分がいてはいけないと身を引くことを考え、二人の元から去るウォーレン・オーツ。 
一人の女と男が、もう一人の男を奪いあうような危うい緊張感。 
男たち二人はまるで無自覚だけど、妻は女の勘でこの二人の関係に自分が太刀打ちできないのは理解している。 
また捨てられる痛みを味わうのは耐えられない、と妻は夫に痛切に訴える。 

そして妻と娘、3人でまじめに生活していたところに、夫の元に相棒だったウォーレン・オーツの親指が届けられる。 
友人の危機に、また自分を捨てるのかとすがる妻を置いて馬を走らせるピーター・フォンダ。 
それが腐った町の人間たちの罠でもあっても、相棒の馬をつれて馬を走らせる。 

銃撃戦の末、倒れるピーター・フォンダ。 
とどめをうたれそうな時、とらわれのウォーレン・オーツが檻から飛び出し、敵を撃つ。 
なんとか敵を壊滅させたものの、倒れて起き上がれないピーター・フォンダ。 
胸を二カ所打たれていて致命傷を負っている。 
「抱いてくれ」(Hold on me←多分;)と告げる虫の息のピーター・フォンダを抱き寄せるウォーレン・オーツ。 

血まみれのブロンドや、苦しげな表情が色っぽい。 

そして場面は、憂鬱そうな表情でバルコニーのウッドチェアに揺られる妻。 
帰ってこない夫を探すように、顔を動かす。 
そんな彼女のバックから、馬に乗った男が人間を抱いて近づいてきて映画は終わる。 


ピーター・フォンダがこんなにカッコイイ人だとは思わなかった。 
ヒゲ顔なんだけど、とてもきれいでびっくりした。 
砂漠の地にきらきら光るブロンドや、青い瞳が印象的。 


そしてちょっとした帽子のかぶりかた、赤いサスペンダー、細い身体にあったパンツ、ムートンのブーツとファッションもおしゃれだった。 
西部劇は登場人物によって違う、こうしたちょとしたファッションも見るのが楽しい。 

70年代のにおいがする西部劇。 

「ブロークバックマウンテン」見たくなったな・・・ 



| 映画*S | 16:13 | comments(0) | - |
「一九三四年冬−乱歩」久世光彦
 ■Story
昭和九年冬、江戸川乱歩はスランプに陥り、麻布の「張ホテル」に身を隠した。時に乱歩四十歳。滞在中の探偵小説マニアの人妻や、謎めいた美貌の中国人青年に心乱されながらも、乱歩はこの世のものとは思えぬエロティシズムにあふれた短編「梔子姫」を書き始めた―。乱歩以上に乱歩らしく濃密で妖しい作中作を織り込み、昭和初期の時代の匂いをリアルに描いた山本周五郎賞受賞作。










実は1年前から漫画ばっか読むようになってしまい、すっかり活字離れしていた私。 
1ページ開いた時点でびっちりと並んだ文字もじ文字もじ!!!の量にたじろぐ私。(最近の本にありがちな改行、行間の空白が殆どない!) 
しかも文章もなんか難しい、と言うか活字離れしすぎて文章読解力や集中力がすっかり落ちていただけなんですけど。 
っつーかこの話の乱歩じゃないけど、歳をとる毎に俗物になっているなぁ…と自覚し、しょげてた訳ですが(でもそれって本当に自分ではどうにもならないのよ、あの熱意はどこへ?とかどーしょーもない事にとらわれたり、今まで楽しかったのが面白く感じられなくなっちゃったりと…自分ではどーしょーも無い事なんですよ)昔感じてたあの感覚がふつふつと思い出されましたよ。この本を読んで。 
その感覚がまだまだ残っていた自分が嬉しくもあり、懐かしくもありそして幸せでした。 



まず主人公として描かれる江戸川乱歩。 
小学生の時好きだったなぁ。 
(ちなみに小学生の時の私の理想の男性はルパンだった。もちろん3世じゃないモーリス・ルブランの方。こっからすでにヤバい傾向だったんだなぁ…) 
私が好きなのはやっぱり、な(笑)「孤島の鬼」かな。 
探偵小説、と言うより1本の小説として好き。 
あんまトリック、とかそーゆーのは興味ないミステリ好きでしたし。(どちかと言えば猟奇殺人フリークだから) 
ただ好きな割には小林少年が出てくるのばっか何故か読んでたから(小学生だからね)彼の代表作だと思われる「芋虫」「陰獣」「挿絵と旅する男」「パノラマ島奇談」あたりは読んだ事…多分無いな。 
だからこの本を読んだ時、あー読みたいなーと非常に思った。 
あのオドロオドロしたエログロ世界が今の自分に受け入れられるかわかんないけど。 
(嫌悪を感じるとかじゃなくて、あんまこーゆーのやりすぎると読み手ってひいちゃったりするじゃないですか。作者一人が悦に入り過ぎちゃうと。そういう意味で。) 

それしたってこの本は本当に面白い。 
乱歩が好きな方はもちろん楽しめると思うけど、他にもその当時の作家達の名前が出てきてその人たちに対する乱歩の感想や意見があって二重構造的に楽しい(その作家たちを知ってればさらに楽しいというオマケつき) 
そして探偵小説と言えばペダントリー趣味も非常に重要だと思うのですが、それも存分に盛り込まれニヤニヤさせられます。やっぱり探偵小説はペダントリー趣味が無いとね! 
私はこーゆー遊び的なのが非常に好きなんです。何でと聴かれても困るけど… 
そしてそして何よりも大切なオマージュ精神!!! 
江戸川乱歩に対するオマージュ。 
探偵小説に対するオマージュ。 
オマージュとはその対象への愛がなくっちゃできないモンですからね。 
かつて(非常に偏った)探偵小説を愛した身としては懐かしさと愛しさが溢れた… 

この本は「耽美」的なんだけど、ただ耽美なだけじゃなくユーモアがある所もいい所だと思います。 
作家、乱歩の滑稽なほどの普通人っぷり。小心者っぷりが笑えて「耽美」と言われると腰がひけたり鼻で笑うような人にも読みやすいんじゃないでしょうか。 
ただこの耽美と滑稽さの盛り込ませ方が非常に絶妙な塩梅。 
上手いなーと唸らされます(コレが失敗するとどうしょうもない) 


乱歩の美青年への傾斜の描写はニタニタしながら読みました(笑) 
中国の美青年、っつーのがなんからしくていい。 
乱歩のモノローグで「美しい女は当たり前だけど、美しい男は貴重だ」みたいなモノローグがあって(ウロ覚え)それは非常に頷ける。 
そうなんだよそうなんだよ、と私も呟く(笑) 

で、ラストへ近付くへつれて乱歩の作家としての発熱する様が… 
グイグイと引き込まれ、穏やかな終わりへと結ばれるわけですね。 
読了してホゥと余韻へ、不思議な感覚を覚えました。 
まさに 

うつし世はゆめ 
よるのゆめこそまこと 

これです。 


しかし難癖をつけるなら、解説は井上ひさしじゃ無い人にして欲しかったな。 
私、解説読むの好きなんだけど余りのつまらなさ(たった5〜6ページだけど)に殆ど読んでない。なんか井上ひさしとこの2人の組み合わせ(江戸川乱歩、久世光彦)が異様に合わないよ 
| 本・書籍 | 16:10 | comments(0) | - |
ベンジャミン・バトン 数奇な人生 *2008アメリカ
■Cast



■Story
 80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。









初日に見ました。 

フィンチャー監督にしては珍しく男女のラブな部分にスポット当ててて意外でしたが、どこかぎこちないと言うか、映像は緻密でまたまた映像オタクっぷり発揮しつつ、パッションが抜けてる気がした。 

映像は本当に美しく、ロマンチック。 
バレリーナのケイトがブラピを誘惑する為に踊るシーンは官能的。あとブラピが若返っていくのが自然なメイク(?)で違和感ない。特にケイトと最後に会うシーンのブラピは……ファンならずともドキッとする美少年にプレイバック。 
私は照れつつ見とれた(笑) 

若返りを男性でやったこともインパクトがあると思う。 
(ヒロインが若返るのはなんかいい方向に受け止められがちな気がするが、家族の長であり、社会的に自立した存在でなければいけない「父親」が若返るのはマイナスでしかなない) 

ラスト近くの中年になったケイトとティーンのプラピ。 
幼児になっちゃったベンジャミンと初老のケイト。 
赤ん坊のベンジャミンを抱く、老婆のケイト。 
まさに映像の持つ力で強いインパクトを与えると思う。 


幼児になったベンジャミンが痴呆症になり、老人期では元気ありあまってる姿も面白く感じた。 

あ、最後のスクリプトで「華麗なるギャッビー」を書いた作家の名前が出てきたけど、原作なのだろうか。 
ちょっとしたブームですよね
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| 映画*H | 16:04 | comments(0) | - |