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Ninth日々観た映画についての記録と備忘録
2006.09.18 Monday
スモーク*95*日米
SMOKE Cast*ハーヴェイ・カイテル/ウィリアム・ハート/ストッカード・チャニング/ハロルド・ペリノー/フォレスト・ウィッテカー/アシュレイ・ジャッド/ジャレッド・ハリス/メアリー・ウォード/ジャンカルロ・エスポジート Director*ウェイン・ワン 原作、脚本:ポール・オースター 学生時代、映画研究部に入っていた時(そんなのに入ってる時もあった)男子部員から勧められたのが心のどこかで忘れられなくてやっと見ました(遅い) やっぱり良かったです。 特に大きな出来事がある訳ではありません。 ただミステリーのように小さな鍵が落ちていて繋がって行く面白さ。 雪山で遭難した男の話、嘘なのか本当なのか分からない話。 そんな細かいエピソード一つ一つがきいている。 最初のシーンでウイリアム・ハート演じる作家が、自分を助けてくれたお礼に黒人少年に自分の部屋を提供しようと申し出るのですが、こんなに簡単に都会で赤の他人をお泊まりさせちゃうのかと吃驚した。 実際どうだかわからないけど、この映画にはそんな他人を信じる小さな優しさが散りばれられている。他人を信用する事とかそういうのって最近段々減っていっているだけになんだかいいなと感じた。 例えばハーヴェイ・カイテル演じるタバコ屋の主人が元妻に子供をたてにお金をねだられるシーンがある。最初は嘘だと突っぱねてるオーギー(カイテル)。 でもラストには例えそれが嘘でも本当でも(実際それは嘘か本当か分からない)彼は彼女にお金を渡す。 自分がそれでいいと思ったからやった行為であって目先の損得とかそこには無い。 最近そーゆーのを忘れてただけに(目先の損得勘定ばかりしてたせいで)なんだかイイ気分になった。 それにしてもみんな旨そうにタバコを吸ってて羨ましい。 私は昔頑張って吸ってたけど(笑)結局体質が合わなくて断念したから、タバコを吸える人がちょっと羨ましい。まぁ、ちょっとだけだけど(笑) 2006.09.18 Monday
終わりなし*84年/ポーランド
キェシロフスキ・コレクションI プレミアムBOX Cast*グラジナ・シャポウォフスカ、イェジィ・ラジヴィオヴィッチ、アレクサンデル・バルディーニ Director*クシシュトフ・キェシロフスキ やっぱりクシシュトフ・キェシロフスキは素晴らしい、と言うか「美しい」映画を撮る事にかけては天才です。 ストーリーはいたってシンプル。 弁護士の夫を突然に亡くしたウラ。二人の間には幼い男の子が1人。 そこに夫が担当していた被告人とその妻や夫の師だった老弁護士、そして夫自身の亡霊が出てくる。 夫が担当していた被告人と言うのが、まだ社会主義っぽい(?)閉息されたワルシャワの体制を揺るがそうとする存在だというのがなんとなくキーのような気もするけどどうなんだろう。まさか80年代のポーランドがいまだ戒厳令の敷かれた抑圧的な社会だとは思ってなかったので少しびっくり。 この抑圧的なみんながみんがなんとなく苦しく感じてる空気だからこそ、ラストがあーなったのだと私は思ったんだけど。(最初は「えー!?」って驚いたラストだった。だって息子とかいるし) 夫が亡くなって、ただ哀しい、寂しいってだけの表現じゃないのがいいと思うし、とても共感できた。 実は憎しみも感じてたり、うっとうしさとか日常の煩わしさを感じてたのも事実だと思う。哀しさと憎しみやら色んな感情が、夫が亡くなった事でどうにも整理できないのは辛いと思う。そんな彼女がキャンドルの火に囲まれて「愛してる」と語りかけるシーンが音楽といい(この音楽ちょっと無気味だけどすごいいい)印象深い。 そしてキェシロフスキ監督独自の透明感のある映像。 透き通るような空気感が美しい。 2006.09.04 Monday
秘密のかけら*05カナダ=イギリス=アメリカ
秘密のかけら ■Story 50年代のアメリカ、国民的な人気を誇ったエンターティナーデュオ、ラニーとヴィンス。 彼の宿泊したホテルから全裸の女性死体が見つかる。 そして解散。 時を経て20年後。 子供時代彼らを英雄視してた女性ジャーナリストが、彼らにまつわる本を執筆しようとする。しかし彼女は次第にショービズ界の迷宮へと迷い込んでしまう。 ■Cast ケヴィン・ベーコン/コリン・ファース/アリソン・ローマン/レイチェル・ブランチャード/デヴィッド・ヘイマン Director*アトム・エゴヤン 原作*ルパート・ホルムズ 音楽*マイケル・ダナ ■ 監督が音楽、ファッション、建造物へこだわっただけに素晴らしく見ごたえがあります。 とくにアールデコを合わせたような独特な内装はかなり私好みで興味深く見てました。 映像もぼんやりとしたノスタルジックな雰囲気だったり、官能的だったり綺麗でした。 サスペンスとしては弱い気がします。 ラストのどんでん返し(?)、私は結構混乱しましたし、そもそも謎を探るもなにも題材が主人公の前にどんどん出現するのでサスペンスでは無い気もします。 宣伝に謳われた「過激な性描写」ってのも全然過激じゃなく、ノーブルで品があるので女性でも安心して見れます。 ラニーとヴィンスを演じたベーコンとコリン・ファース。 いや、素敵でした(笑) ベーコンは結構いい歳だと思うのですが、年齢不詳なやんちゃな色香があります。 20年後の姿もカッコいいし。 ファースは一見優しそうなんだけど、狂暴性を秘めた目が素敵すぎ(笑) パートナーを熱っぽい目で見る姿も素敵(笑) 「アパートメント・ゼロ」でもヤバい役を演じましたが、英国人特有の狂気っぽさがセクシーですらある。 過激(らしい)な性描写シーンよりも、私はステージで意味深に見つめあう二人にドギマギしました(笑) 2006.09.04 Monday
大脱走*63アメリカ
大脱走 ■Story 第2次大戦下のドイツ。捕虜の脱走に頭を悩ますドイツ軍は、脱走不可能な収容所を作った。連合軍の兵士たちは、収容されるやいなや脱走を敢行、しかし失敗する。だが将兵たちは知恵を絞り、なんと計250人の集団脱走を計画する。そして実行当日…。(Amazonより) ■Cast スティーヴ・マックィーン/ジェームズ・ガーナー/リチャード・アッテンボロー/ジェームズ・コバーン/チャールズ・ブロンソン/デヴィッド・マッカラム/ドナルド・プレザンス Director*ジョン・スタージェス 原作*ポール・ブリックヒル ■ 古き良き時代の映画だと思わせます。 過剰な暴力や血はなく、どことなく上品さすら感じられます。 後半でマックィーンがバイクを乗って(マックィーンはプロのライダーらしい)国境を走るシーンなんて颯爽感がある。 だけどその一方で寸での所で捕まり、息絶えて行く同胞もいる。 ビッグXとその側近の最期。全部は写らなかったけど、長閑さすら感じさせるこの映画で戦争の恐ろしさを感じさせるシーンだった。 そうかと思えば、自転車で呑気に逃げおおせたジェームズ・コバーンとかホント、人それぞれ、運の匙加減だと思い知らされる。 また、敵のドイツ軍の描き方も空軍の所長はナチ嫌いで捕虜に対して敬意を現していたりとただ悪者的に描かない点もいいなと思うし、ドイツでもこーゆー人もいたんだな、と思わせる(実話だけど実際そうなのかは分からない) ラストのまた独房に帰って行くマックィーン(そしてまた独りキャッチボール)を見ていて、「名作だなぁ」と実感。 例え何度失敗しても、命を犠牲にしても捕われの身から逃れる事。 運命に逆らう反骨精神。 2006.09.04 Monday
ハッカビーズ*04アメリカ
ハッカビーズ スペシャル・エディション ■Story 環境保護団体の支部長をする、ネガティブでインテリなアルバートは何度も見かける黒人ドアマンを切っ掛けに自己アイデンティティーが揺らぎ哲学探偵を雇い、自己を保とうとする。だがアルバートがライバル視する、何もかも自分と正反対のハッカビーズ(大型スーパーマーケット)のエリート社員ブラッドに自分のお株を奪われてしまい自己崩壊ギリギリまで追い詰められる。 しかし「分身」と呼べる火を消せない消防士と出会ったり、探偵夫婦のライバルである、ナゾのフランス女性哲学者が現れたり、ブラッドも自己崩壊ギリギリまで追い詰められたりと事体はさらに広まって行くのだった。 ■Cast ジェイソン・シュワルツマン/ジュード・ロウ/ナオミ・ワッツ/ダスティン・ホフマン/リリー・トムリン/マーク・ウォールバーグ/イザベル・ユペール/ティッピ・ヘドレン/タリア・シャイア/シャナイア・トゥエイン Director*デヴィッド・O・ラッセル ■ なんとなく今流行り風(?)の「ロイヤル・テネンバウム」みたいな映画で、自分はどうかな?と思った(「ロイヤル・テネンバウム」が余り面白く感じなかったので)んですが、この映画は結構楽しめました。 と言ってもどこが楽しいのかと言われれば、なんだか非常に人を煙に巻くような不思議な映画だし、まだ私が気付いて無い部分もありそうなので説明しづらい(最近こんな映画ばっか見てる気が・・・) 出てくる登場人物といい、登場人物の発言はみんなオーバーで多分に誇張されてるのだと思う。ここまでダイレクトな人たちはいないにしてもこーゆー人いるよな(もしくはあれ、自分も・・・・?ゲッ!とか)と実感させられる。 アメリカと言えば何かとカウンセリングが出てくる国みたいですが、この映画ではその役はダスティン・ホフマン&リリー・トムリンの探偵夫婦とナゾのセクシーフランス人(イザベル・ユペール、「ピアニスト」のパロ?)がその役目を果たす。 自己分析だとかカウセリングって、まぁ日本でも何かの占いとかオーラのなんとかみたいな奴で現代人にとってはやっかいな事に必需品らしい。 自分の事は自分で決めたり考えなきゃいけないけど、他人に頼らずにはいられないのを皮肉ってるのだろうと思う。 ワハハと笑える映画じゃないんだけど、登場人物の過剰さはやっぱりアメリカらしいダイナミックさを感じる(何だそれ) 私的には結構身につまされるエピソードもあったりして・・・・ ってそう感じる私はヤバイのかな・・・・・・(ジェイソン・シュワルツマンの暑苦しい顔がアップで迫る) 2006.09.04 Monday
男と女*フランス66
男と女 特別版 ■Story 妻を失ったカーレーサーの男、スタントマンの夫と亡くした女。 子供が同じ寄宿舎学校であることから知り合った二人。 互いに惹かれあいながらも、失った伴侶への思いは断ち切れない。 二人の距離はゆっくりと縮んで行く。 ■Cast アヌーク・エーメ ジャン=ルイ・トランティニャン Director*クロード・ルルーシュ 音楽*フランシス・レイ フランシス・レイの美しい音楽と美しい映像。 カラーになったらモノクロになったり・・・・ とにかくワンシーンワンシーンがまさに「絵」であり「写真」。 今現在見ても全く古臭さを感じさせない(もちろん時代は感じさせるけど、その時代感すら絵になってる)オシャレな映画。 でもただオシャレなだけでなく、大人〜〜な雰囲気、叙情たっぷり。 アヌーク・エーメの死んだ夫を忘れられず、揺れる女心。 女からの電報に(これまたストレートなメッセージ!しかもあのアヌークエーメが電報主なんだから男からみたらドッキリさせられる)ル・マンから直接駆け付けちゃう男の直情さ。ジャンルイもまだまだ青い男役が似合う若さ。 女が朝、娘と散歩してる時、泥だらけの車でかけつける男。 海岸に車が止まってるシーン。 このシーンが何故だか忘れらんない。 とにかく音楽、映像、役者、すべて素敵な映画。 そしてアヌーク・エーメ・・・・・ 知的でキリッとしてて、ちょっと冷たそうにも見えるけどすごくフェミニンで・・・・ 素敵な女優・・・・・・ 2006.09.03 Sunday
アカルイミライ*02日本
アカルイミライ 通常版 ■Story 仁村雄二は、同じおしぼり工場で働く同僚・有田守と公私ともに淡々とした日常を過ごしている。雄二は他人と上手く渡り合えず無鉄砲な性格。そんな彼を見兼ねた守はある日、彼ら2人だけしか分からない2つのサインを提案し、それを徹底させようとする。その頃から雄二は守が飼っている猛毒の“アカクラゲ”に興味を示すようになった。ある時、守はそのクラゲを雄二に託して突然姿を消す。守は工場の社長夫妻殺害の容疑者として収監されていた。以来、雄二は戸惑いながらも、何かに取り憑かれたようにクラゲの世話を始めるのだが…。 (Yahoo!映画情報より) ■Cast*オダギリジョー/浅野忠信/藤竜也/加瀬亮/りょう Director*黒沢清 難解で理解できたとは言えませんが、最初から最期まで目が離せない。 男同士の関係性とか父親とひとまわり若い男の関係(まぁ簡単に言えば父子関係)ってのはどうなんだろう、って疑問から借りたので、そういう目線で見てました(内は女系家族で男は父親しかいないので興味がある) タイトルの「アカルイミライ」 かなりインパクトあり。しかもカタカナだから余計。 映画を見てると、一見仁村は守の父親と侘びしい者同士肩を寄せあい、現実の社会を生きるように見える。でもそれは一見であってこの先どうなるかは分からない。 それは中盤の仁村が藤竜也に「ここからは何も見えない」と言った言葉からも伺える。 何かが見えそうだけど、やっぱり違う。 そう簡単に共生や共存はできない。 くらげは真水に慣れて、海へ帰って行くけど守や仁村、そして高校生たちには「現実」を生きる事しかできない。「海」は存在しない。 藤竜也の世代はそれがわかってるけど、仁村たちはまだ違う場所があるんじゃないかと思ってる。守はそれに気付いて凶行を犯して現実社会をドロップアウトした。 藤竜也は守や加瀬亮演じる息子や子供たちを叱った事あるのかなぁと思った。 仁村を怒鳴った後の、情けなく「怒鳴っちゃったよ、どうしよう」と狼狽える姿は滑稽すぎて物悲しささえ感じる。この姿を見ると息子や子供たちすら叱りつけた事がないように見える。なんとなくこの世代の男の人は子供とどう接していいのか分からない人が多そうだなぁと感じる。特に男同士ってのは親子間でもプライドや見栄ってのも関係するのかな、とか。 怒られた仁村は仁村で今どき幼稚園児でもあるまいし、怒られて行方不明になってしまう。 この子も親にちゃんと怒られた事なさそうな気がする(ってか仁村は全く親の影が出てこない。不自然すぎるくらい) 守は偶然にもこの二人を結び付ける役目を果たすのですが、守は仁村にとって仮の父親役を演じていたような気がする。なんだかんだいって仁村は他人に対して依存性が高い人に見える(よく言われる甘ったれ小僧、ってやつか) 守は自分と同じ衝動を抱える仁村を保護してたけど、何年たっても待ってると言う依存してくる仁村を突き放す。そして「行け」のメッセージを残して自殺する。 そこまで考えると、守って仁村を導く為にあの凶行を犯して自殺したのかとと思えてくる。 ラストシーンで表参道(らしい)を自由気侭に悪態つきながら歩く高校生。 これ、なんだろう、と見た時思った。監督のスタンスが一体どうなのかと思った。 こんなクソガキどもに自由に練り歩かれたらたまったモンじゃない(ダンボ−ル蹴るな) でもそのクソガキどもにも親はいる。 子供が犯罪を犯したり凶悪化するのは結局大人の責任だと私は思う。 もちろん全部が全部でないにしても、親の無関心だとか逆に異常な束縛は子供を歪ませる。 藤竜也の世代、その子供たち世代にあたる仁村や守、そしてまたもっと下の世代にあたる高校生たち。すべてがリングのように繋がってる。新しい世代はどこへ行くのか。 ラストシーンからは監督の温かい視線を私は感じた。 ■ このテの映画(ダメ人間の集会)にしてはオダギリジョー、浅野忠信、藤竜也のカルテットは異常な程色気ムンムンすぎ(笑)藤竜也なんて以前「悪魔のようなあいつ」を見ちゃったせいで余計・・・(笑) 堕ちる(た)男の姿が色っぽすぎ。 自然光を取り入れた撮影はストーリ−の殺伐さ&難解さを気にさせない柔らかな雰囲気が出てたと私は思う。薄暗い(特に藤竜也の仕事場)んだけどじめじめした暗さがなくて、優しい雰囲気がある 2006.09.03 Sunday
地獄に堕ちた勇者ども*69イタリア/スイス/西ドイツ
地獄に堕ちた勇者ども ■Story 第2次世界大戦前、ナチズムが台頭し始めた頃。 鉄鋼一族の当主の誕生日に議会は何者かに放火され、当主は暗殺される。 犯人は一族の中でナチを嫌う自由主義のヘルベルトとされるが、それは当主の座を狙う人間とナチの高官アッシェンバッハの陰謀だった。 それが一族の滅びの序曲だった ■Cast ダーク・ボガード/イングリット・チューリン/ヘルムート・バーガー/ウンベルト・オルシーニ/シャーロット・ランプリング/ヘルムート・グリーム/ルノーヴェルレー/ ルネ・コルデオフ/アルブレヒト・ショーンハルス/フロリンダ・ボルカン/ノラ・リッチ Director*ルキノ・ヴィスコンティ memo* 原タイトルのサブは「神々の黄昏」で、ワーグナーのオペラ「ニーベルンクの指輪」を題材にしている。ヴィスコンティのドイツ3部作(「ルードウィヒ/神々の黄昏」「ベニスに死す」)の1作目。 ■ 見てる最中も見た後もドッと疲れが押し寄せました。 この人の映画は退屈そうでいて、片時も目が離せず、思わず集中して見てしまう「魔力」があります。 とにかく何から語っていいのか言葉にならないのですが、とりとめもなく書いていこうと思います。 まず初めに、この映画は「退廃美の極み」「狂気」などと評されていますが見てる最中は不思議とそっちの印象よりも以外と骨太な映画だなと思いました。 「家族の肖像」「山猫」でもそうでしたが、個人(家族)の話でありながら密接に社会との関わりを感じさせられます。 エッセンベック一族の中に何時の間にか入り込んだ「金髪の悪魔」、アッシェンパッハ。 そして悪魔は最初はナヨナヨして女々しかったマルティンを立派なナチスに仕立て上げます。このラストシーンは本当に怖い。最初はナヨナヨしていて気持悪かっただけのマルティンが異様な程美しくなっているのも恐ろしさを増長させます。 挙げ句の果てに、最期の希望の光りとも思えたギュンターすらアッシェンバッハはナチの道に引き摺り込むのです。 これで見てる側は最期の希望すら断たれてしまった訳です。 アッシェンバッハは若く真直ぐなギュンターに言います。 「君の憎悪が必要だ」 憎悪が憎悪を産み、ナチズムは増殖していく恐ろしさ。 私は基本的にナチモノは苦手で殆ど見ないのですが、この映画を見るとナチのとてつもない恐ろしさを思い知らされます。人間の弱い部分に付け込んでくるのです。 冒頭で唯一の正義の人っぽかったヘルベルトの言葉にもそれは表れてます。 「我々がナチをのさばらせた、我々からナチは生まれた」 この言葉だけで十分です。ナチズムとは誰の心にも存在している、別の次元での「悪」ではないのです。 マルティンについて。 この映画には特に主人公らしき人がいないと思うのですが、マルティンは劇的な変化を遂げます(そしてマルティンの母親ソフィも)さながら醜いアヒルの子が白鳥になったように、冷たく美しいナチスと生まれ変わるのです。 美しいだけに、ラストシーンでのマルティンは背筋が氷る程恐ろしく見えます。 そしてそれとは逆に、弱々しく微笑み、死化粧を施されたソフィ。 あきらめきれずに無駄な足掻きを続けるフリードリッヒ。 血の静粛、突撃退の最期。 ナチの内部でも親衛隊と突撃退の衝突があったんだと初めて知りました。(映画の中では親衛隊はまだ出てこなくて陸軍) このシーンはかなり長時間を割いているのですが、化粧を施し女装をした青年が湖畔(?)を見るシーンが印象的です。このシーンの後、血の静粛が始まるのですから。 特になくてなならないシーンだとは思えないのですが、一時代の栄華を誇った突撃隊の最期と一族の堕ちぶりがかさなります。 こうして書いていくと、なんだか本当にとりとめもなくて残念なんですが、こんな映画、2度と撮られる事のない凄い映画です。 衣装にしてもキャスティングにしても美しく豪華絢爛。 そして大好きな女優、シャーロット・ランプリングが小さい役ながら清涼とした美しさを放っています(2人の娘を持つ母親役なんだけど、当時彼女はまだ20代) なんとなく監督は彼女に自分の母親像を重ねて撮影したんじゃないかと思いました。 2006.09.03 Sunday
イン・ザ・カット
イン・ザ・カット ■Story ニューヨークの大学で講師を務めるフラニ−。彼女は誰にも心を開かず、他人と一定の距離をを保つことで心の均衡を保っていた。だが、ある猟奇殺人巻き込まれ、担当の刑事に出会った時から彼女の心の均衡は崩れた。 ■Cast メグ・ライアン/マーク・ラファロ/ジェニファー・ジェイソン・リー/ケビン・ベーコン ジェーン・カンピオン監督、ニコール・キッドマン製作 ■ この映画に関していい感想を聞かないのですが、私は割と楽しめた、というと語弊がありますが印象的な映画になりそうです。それに批判ばかりされてるので庇いたくなります(?)そんなに悪い映画じゃないと思います。まぁ、目を逸らしたくなる赤裸裸な内面描写とかありますが、人間そんなにスマートな人間ばかりでないし、情けない人間も存在してるわけですから。 と言うより、世の中そんな人間の方が多いと思う。そして劇中のフラニーの経験した些細な事って多分多くの女性が経験した身に覚えのある出来事ではないでしょうか。 ■Attention! 超個人的考え&ネタばれあります メグ・ライアン演じる女教師フラニーは30代後半位で、男性とまっとうな恋愛をしない(できない)女性です。 それは彼女の父親がかなり関係してます。ロマンティックな恋愛をしたのに彼女の母親をすてて次々と計5人の女性と結婚した父親が原因みたいです。そのせいで男性不信みたいな(本人は無自覚?)状態です。また彼女は教師なので頭も良く、経済的に自立してるのですが、精神が少女のままです。それは彼女の部屋に転がる少女趣味的な雑貨などに現れてます。この少女性というのも父親から発する男性不信に繋がってると私は思います。(偶然先刻読み終わったブロックの「ヴァイオレット&クレア」でのクレアと言う少女も母親が父に捨てられ精神崩壊、そして娘のくれあも心のどこかで好きになった人に捨てられるのでは無いかと不安に陥る)こうして考えると、少女性とは父親の支配と何か関係があるのかな?と勘ぐってしまいます。(よく最初に接する異性が親だ、とか言うし) ラストシーンになって彼女は本当の犯人と対面します。実は私は犯人はふらにー自身なのかなとずーっと思って見てました(苦笑)大方の人は見てて犯人が分かったそうなんですが(ははは) 特に恋人マロイを手錠でつないでセックスするシーンではマロイをプレイの最中にずたずたに切り刻むのかとどきどきして見てました(大きな勘違い)フラニーはわざわざドレスアップし、普段つけない真っ赤なルージュをひいてマロイの上に乗り騎乗位を行うのですが、これはサイコ殺人鬼の行動だと私は思ったんですね。地味な女が娼婦のような服を身につける=2重人格だと。で、またまた私は大きな勘違いをし、本当の犯人と対面したふらにーはオルガズムを感じてこの殺人鬼に殺されて映画が終るのかと勘違いしました。って無茶苦茶後味悪い映画になってしまうけど、どうにもフラニーには破壊されたい願望っていう欲求が見隠れするキャラクターっぽかったので。 彼女の周りには変人、変態の男ばかりがうろついています。ストーカーと化した昔の恋人(ケビン・ベーコンに似てると思ったら本人だった)殺人鬼ジョン・ゲイシーに興味をもつ黒人の生徒、暴力的なセックスをする何を考えてるのか謎な恋人マロイ。でもそれは彼女自身がそういった男を引き寄せるんであって決してうさん臭い男を並べ立てたわけではないと私は思います。 で、話が戻るとフラニーはその真犯人を殺して無事にまろいの元に戻って終ります。 この真犯人が男版ふらにーって感じで過去に何があったのか謎なのですが女性不信っぽい。・はそんな彼を殺す事で彼女の中の「父親」を殺し少女という殻から脱する事が出来たのではないかと私は思いました。なのでこのエンディングはかなりハッピーエンドだなぁと思ったり。 マロイなんですが、かなり謎の男です。性的な魅力に満ちあふれてるのですが、何を考えてるのかわからない。でもフラニーとは似たもの同士だな〜と私は思いました。(孤独で自分を明かさない点)だからハッピーエンドなんです(笑) クライマックスシーンでマロイのスーツのポケットからフラニーの乳母車と赤ちゃんのチャームの一部が出てくるシーンが暗示的になります。ただこれをフラニーに見られた為に疑われると言う皮肉な事体を引き起こすのもフラニーの内面を暗示してる気がする、と言ったらこじつけがましいのでしょうか。 気になる点。 犯人はフラニーを最初から狙っていたのか。 何故フラニーの妹が殺されたのか。(フラニーを狙っていたからか) バーの地下でフラニーは犯人に顔を見られたか。 映像のピントの一部をわざとぼかす意味。 このあたりが私はかなり気になりました。 もしも犯人がフラニー目的だったらやっぱりフラニーには男の破壊願望を増長させるものがあったのだなと思います。 ■マーク・ラファロ 以前トム・クルーズ主演の「コラテラル」を見に行ったのですが、その時マックスを助けようとしてトムクルに殺される刑事役をやったのが彼でした。 かっこいいな〜と朧げに思っていたのですが、この映画での彼はまさにエロエロヴォイスで役にあってます(笑)とにかく声がエロい(笑)暴力的な言葉を吐きつつ、フラニーの足を舐めたりとちょっとSもMも両方やっちゃう気味(笑)な危うい男役が合ってました。 「CUT」誌情報によると、アメリカの違いの分かる女が選ぶイイ男選、1位だそうです(違いの分かる女って/笑) 2006.09.03 Sunday
SAW/ソウ
SAW ソウ DTSエディション ■Story 目覚めたら老朽化したバスルーム。片足首は鎖につながれ、対角上に同じように鎖につながれた男。そしてその間に転がる頭を拳銃で打ち抜いた男の死体。 そしてポケットに入っていたテープレコーダーが告げる。 「アダム(鎖に繋がれた男の片方)を殺せ。でなければ君の妻子を殺す。ゲームの始まりだ。」 何故2人の男が選ばれたのか、犯人の目的は? 謎が謎を呼ぶサスペンスホラー映画。 ■Cast ケアリー・エルヴィス/リー・ワネル/ダニー・グローバー/モニカ・ポッター 原案・脚本:ジェームズ・ワン/脚本:リー・ワネル ■ 私は最近流行の「cube」だとかジャパニーズホラームービーを1本も見た事がありません。この手の映画が初めての「それ系」映画(どう説明していいかわからないけど、大手映画製作会社でない新人が作る、恐怖映画?)なのですが、最初から恐くて仕方なかった。 真っ暗な水槽で目覚めるアダムという男、恐すぎる!! このままこの閉じ込められた密室で映画が続くなら私は発狂する!とかなり焦りましたが(映画館から出たいの我慢してた、私は極度の狭所恐怖症なので)話は密室以外から出て、連続殺人鬼、それを追う刑事、そして男の妻子、を映していきます。 とにかく見終った感想は、ち密に練られたよくできたサスペンス映画だと思いました。 伏線の張られ方、人をドキドキさせる映画の取り方をよく知りつくし、映画が好きな人がとったんだな〜と思わせるちゃんと映画文法にのっとった撮り方。 なので「ここ、変では?」という部分はないです。ちゃんとその理由や動機がセリフや映像で説明されてるのでちゃんと見れば納得できると思います。 ただ、私は素人なので医学的な事がわからないのですが一つだけ疑問的があります。それはネタ晴れになるので以下で書きます。 あ、結論。 ↑でも書きましたが、サスペンスかつ「恐い」映画です。 なので余り心臓の弱い人はみない方がいいと思います。私は本当に始まって1時間は死にそうになってたので。 でもかなり脚本がしっかりしててサスペンス映画としても1級なのでおすすめです(笑) ■個人的見解/ネタバレ 上記で私が1つ疑問に思った事、それはゴードン医師が自分の足を切断するのですが、人体って簡単に切断できるのですか?よく小説で死体解体は大変だとか、骨を切るのは大変だ、とういのを聞くので見てて少し疑問に思いました。 ただ小説もフィクションなので実際はそうでないのかもしれません。 そして私が最大に疑問に感じたのはアダムは何故選ばれたのか?です。 今までの人物は麻薬中毒者、放火魔、そして患者をモノ扱いするゴードン医師など「健康を顧みない命を顧みない人物」ですが、アダムはただの盗撮写真家でその理由にはあてはまらない筈・・・・何故だろうと考えてましたが、ある意見を見て納得しました。 監督は「ラストは1つしか考えなかった」と述べてるのでその辺もヒントかもしれません。 そして何故アダムが選ばれたのか、アダムの存在事体がこの映画の最大のミステリーだと思いました。 |