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Ninth日々観た映画についての記録と備忘録
2006.03.26 Sunday
Mr.レディMr.マダム*78 仏伊
Mr.レディ Mr.マダム 出演*ウーゴ・トニャッツィ/ミシェル・セロー/ミシェル・ガラブリュ/レミ・ローラ ン 監督*エドゥアール・モリナロ/原作*ジャン・ポワレ/脚本*フランシス・ヴェベール 1979年度「ゴールデン・グローブ賞」外国映画賞 1979年度「アカデミー賞」監督賞、脚色賞、衣装デザイン賞ノミネート 友人のお勧めで見たんだけど面白い! と思ったら「奇人達の晩餐」「メルシィ!人生」のフランシス・ヴェベールが脚本でした。そりゃ面白くて当たり前。フレンチコメディってどうしてこんなにも面白いんだろう。しかもかなり昔の作品なんだけどなんかオシャレだし。アルバン(簡単に言うと女装した芸人でゲイカップルの片割れ)がキュート(笑)舞台裏でゴネたりヒステリー起こしたり相方の昔の女房に嫉妬したりと中年なんだけど可愛いんだ。しかしその相方もいかにもタチって感じなんだけど(笑)やっぱり可愛いんだ。 私はハリウッドがリメイクした「バードケージ」を先に見たんだけど、やはりオリジナルの方がウィットに富んでて好きだな。ハリウッドバージョンだとジーン・ハックマン演じるお堅い議院とレナート演じるロビン・ウィリアムスとのやり取りが笑いのミソとして演出されててアルバンとレナート夫婦(笑)はそんなにメインじゃなかったけど「Mr.レディMr.マダム」の方はこの二人の関係がとっても良く演出されてる。例えるなら永年連れ添ってきた相手の嫌な部分もいい部分も分かり合ってる人たち。腐れ縁のような惰性を感じさせつつ二人の罵りあい(全然深刻でない笑えるシーン)の深い部分に愛を感じさせる。もしパートナーがいて永年連れ添う事になったらこんな関係でありたい、そう思わせる関係。いちいち拗ねたりゴネるアルバンにやれやれと思いつつ、つきあってあげるレナートってなんてイイ男なんだろう!(笑) この映画中、多分二人とも「愛してる」とか「好き」だとかその類の言葉は一言も発して無いんだけど根底には愛がある。人間永年連れ添うとそこには同士愛だとか友情めいた信頼感系が無いと上手くやっていけないと思う。 で、「バードケージ」もレナートの息子にムカついたんだけどやっぱりこっちでも凄いムカついた(笑)しかも顔がティーンの頃のクリスチャン・ベール並みに可愛いから余計に(笑)可愛い顔してお前エゲツないな、と。 黒人のお料理担当の男性のホットパンツ一丁(ラメ入り)にフリルエプロン姿が・・・・衝撃的(笑)ゲイでもヘテロ男性でも裸エプロンは永遠の夢なんでしょうか 2006.03.19 Sunday
変態村*04ベルギー+仏+ルクセンブルグ
Cast*ローラン・リュカ/フィリップ・ナオン/ジャッキー・ベロワイエ Director*ファブリス・ヴェルツ うーん、期待してたのにイマイチでした。 何がイマイチかと言うと、テーマやストーリーはかなりそそる題材だと思うのですが、表面的な部分しか描かれていない点かな。 抑制して描かれるのはいいんだけど、監督が一体何をいいたいのかよくわからない。 プログラムでは「ラブストーリー」と描かれているし、実際見てみて村人やバルテルが愛に飢えているのはわかる(そしてキチガイだとも)とにかく主人公以外の人間が皆な頭、おかしい。どこをどうすればマルク(主人公)を女と思いこめるのか全く理解できないけど、本来狂人とはそういうものだからしかたない。 原タイトルの「CALVAIRE」とは「受難」という意味らしいが、十字架にはりつけにされたり、理不尽な暴力にさらされるマルクはキリストと言う意味になる。だけどキリストだったらこの理不尽な暴力を振るう村人たちを受容し、許さなければいけないけど映画を見る限りそうは描かれていないから監督が何をいいたいのか分からない。 「やわらかい殻」「聖なる狂気」のフィリップ・リドリーがこのテーマで監督したらおもしろいかも。 つまり私が言いたいのは、面白い題材だからもっとパッション溢れる面白い映画になる筈なのに残念だな〜と言う点です。せっかく主役のローラン・リュカが良かったのになぁ。 さんざん愚痴ってたけど、この映画で一番良かったのは多分これは私だけじゃないと思うけど、村人たちのヤバイダンスでしょう。 ちょっと笑えるんだけど、薄気味悪すぎて笑える。そしていかに彼らが「愛」に飢えてるかがすぐに分かるシーンでもある。 この時のピアノ演奏曲とマルクが歌う歌が美しすぎて気持悪い。 マルクは「グロリア」として残酷な暴力に曝されるんだけど、この「グロリア」って実際にいたんだろうかと思う。まさか豚じゃないよね。。。。 そしてマルクはある意味狂言回し的な役なので、マルクがどういう人なのかよくわからない。最初の老人ホームのシーンでマルクが誰に対しても魅力的である種の欲望を抱かせる人間なのは理解できる。 いわゆるモテる人なのかもしれなけど、モテる人にしてはいつも不幸せそうな顔をしてる(まぁ老女や50代の女性に迫られて嬉しそうな人はいないと思うが)マルクって人は善良だけど、人を愛した事があるのだろうか。誠実だけど、そういうパッションに欠けてるのだろうか。(写真付きお手紙でのヌード女性はやっぱり慰問先の看護婦か何かだろうか。このシーンはマルクの人柄を知る数少ないシーンだと思うけど) そんな愛を求めた事の無い人が、愛を求める狂人共にめちゃめちゃにされて、最後「愛してる」と告げるシーンは何か皮肉。 ローラン・リュカって歌、とっても上手いなぁ。 声もとてもいい声してる 2006.03.14 Tuesday
ブロークバック・マウンテン*05アメリカ
Cast*ヒース・レジャー/ジェイク・ジレンホール/ミシェルウィリアムズ/アン・ハサウェイ Director*アン・リー BBM見て来ました。 えーと、何て感想を言っていいのか非常に難しい映画です。見終わった後、一緒に鑑賞した友人と散々語り合ったのですがそれでも語り足りない、胸がもやもやして締め付けられるように痛い映画でした。 とにかくあらゆる面で表現や台詞が控え目で、見てる側が想像力やイマジネーションを働かせなくてはいけません。私自身、プログラムを読んでやっと「あれはこういう意味だったのか」とかかなり見落とし点が多々ありました。っつーか早く2回目鑑賞をしたいです。とにかくいつも以上に感想がまとまらないのですが、鉄は熱い内に打てとばかりに勢いで感想を吐かせてください。多分かなり勘違い点も多々あると思うのですが(笑) 以下ネタ晴れ的な部分があります。 何も知りたく無い方は読まないでください。 まずゲイのラブストーリーと謳われてますが、私は余りそうは思いませんでした。確かにラストシーンでイニスが見せる行動はこの映画をイニスとジャックの至高のラブストーリーへと高めてますが、自分を偽った男の生きざまにも見れるし、そしてこの二人をフォーカスするには余りにも脇役たちが深みある演技をみせてくれてます。特にイニスがジャックの生家へ赴き、両親と会話を交わすシーンは私にとってかなり重要で涙腺を刺激するシーンでした。(特にジャックのお母さん役の人は素晴らしい) 私はゲイのラブストーリーと言う先入観で見に行ったのですが、映画を実際見てゲイ云々よりも男の(人間の)セクシャリティーとはなんとあやういんだろうと感じました。例えばジャックが農場主任の男と関係を持つであろうと控えめに示唆されるシーンがあるのですが、そうそうゲイの相手が簡単に見つかるのか?とかこの農場主任は奥さんいるけどやっぱりジャックのように隠れゲイなのか?それとも????みたいな非常に曖昧です。またそれは最初にブロークバック・マウンテンでジャックとイニスが肉体関係を結ぶのも「若さ故の勢い」的なものなのか、やっぱり単に「ゲイだから」なのかかなり曖昧に描かれていると思います。 「スキになった人がたまたま男だった」なんて台詞がよくありますが、この映画にもそんな流れを感じるし、出演者もインタビューでそれに近い事を言ってますが、それって現実において非常に危険な意味だと思う。何故ってもしそうだとしたら世の奥さん達は旦那の男友だちまで疑わなきゃいけないんだから(笑)私の表現力だと自分の言いたい事を上手く説明できないのですが、なんだか漠然とした曖昧な男のセクシャリティーを感じたのです。 しかしいくら若さの弾みとは言え、20年も関係を続けたと言うのはこの二人に愛情関係がきちんとあったって事だと思うのです。ただそれもたまに会える関係だから相手をより一層求めてしまうのかな?とも思う。恋愛と日常は相容れないもので、日常の汚濁にまみれなかったからこそ二人の関係は神聖なものだったのかもしれないし、イニスには何だか後ろ向きな人で(過去のトラウマのせいで)ブロークバック・マウンテンの過去の思い出だけでジャックを愛してるようにも見える。 ジャックを通して、貧しさやままならない現実から切り離されたブロークバック・マウンテンを見てただけかもしれない、なんて少し穿った見方もしてしまう。 何が悲しいって自分を認められない人間程哀れなものはないと思う。しかも結局イニスは自分の周囲の人間を誰1人幸せにできてないのが悲しすぎる。救いがあるとすれば、イニスを慕ってくれる娘たちとラストシーンに呟くやっと吐かれた愛の言葉だけ。その愛の言葉だって遅すぎるよ、と思うけどそういう己を押し込めた生き方しかできない(それを許さない社会が)イニスが悲しくてたまらない。 この映画には常に「孤独」が付きまとう。誰にも心を開かない(時にはジャックにすら)イニスはもちろんの事、二人の関係を知ってしまい、イニスの愛が自分にない事を知ってしまうアルマ、夫には何か秘密があると薄々勘付いてるジャックの妻、ラリーン、そして陽気に振るまいつつもイニスと農場を営む事を望むジャック。みんな孤独だけど、結局独り取り残されたイニスの孤独感に見終わった後打ちのめされた。これは暗い気分になった、と言うのとは少し違う。人間が必然的に持つ「孤独感」に近い感覚。 登場人物に共感しにくい、という話をよく聞きますが私も最初はそうでした。 映画自体、誰に寄り添う訳でもなく結構登場人物に距離感を持って撮られていると思う。結婚してから仕事を休んでまでジャックと逢瀬を繰り返すイニス(結構自分勝手で、男のぬるく嫌な部分が出てる)に対して、多分既婚の女性はムカつくと思う(笑)このイニスって男は私的に男の中の男像だったりする(註*男らしいとかいう意味じゃなく、普遍的な男像って意味)ここまで男を深く追求する映画は今まで余りなかったかもしれない(いや、本当はあるかもしれないけど)今まで女を描いた映画は多々あれど、ごく普通の男の内面をここまで描いた映画を私は見た事がない。男は常に沈黙し、黙っている。白黒つけたがるのは女で、男は黙ってやりすごす。答える言葉を持っていないし、そういう風に教育されている。 男の内面を描いた映画が奇しくも男らしさから懸け離れた(一般論的に)このような映画から出て来たのはやはりと言うべきなのかもしれない。その底には「男らしさ」が横たわり、男を無口にさせる。 イニスとは真逆なタイプとしてジャックがいるのですが、私は何故かジャックに共感に近い感情を抱いてました。自分の性格的にはイニスが近いのですが、余りにもイニスは男っぽすぎる(男らしい、と言う意味ではない)けど、ジャックにはフェミニンな物を感じたからか。特にイニスの奥さん(アルマ)を見る目が「女」に見えたのは私の錯覚かな(笑)ひりひりするようなジャックの恋する眼差しは情熱的すぎて怖い。あんな激しい愛をぶつけられたら少し怖くなる。 感想を語るのが本当に難しい映画です。 色んなものが絡まりあい、この映画はできている。 あと2回は見たいです。 多分2回目はまた違った感想を持つと思います。 この映画は深すぎます。 ***このレビューは自サイトに掲載したものとほぼ同文です。 2006.03.14 Tuesday
KIKA
キカ <ヘア無修正版> Cast*ベロニカ・フォルケ/アレックス・カサノヴァス/ロッシ・デ・パルマ/ピーター・コヨーテ/ビクトリア・アブリル/ロージー・デ・パルマ Director*ペドロ・アルモドバル スペイン1993 アホな人たち(よく考えたらアホは主人公のキカだけ)によるアフォアフォエロホラーストーリー、だけどキッチュで極彩色に彩られたアバンギャルドな世界… そうとしかいいようがない(笑) 普通の人は出てこない、一癖も2癖もある変態のオンパレード。話らしい話はあるようなないような…ハチャメチャだけど、ラストのアンドレアとピーター・コヨーテ(役名忘れた)の一騎討ちシーンは何か悲しい。アンドレアはヤバいけどキカのアホさのかけらでも持ってれればもっと楽しく人生送れたかもしれないのに、と。 だからラストシーンは少しホッとする。 やっぱりアホな女はあーでないと。 どうでもいいけど、ピーター・コヨーテの義理の息子役(ラモン、だっけ?)はキアヌリーブスに似てる。さり気なくちょいいい男を使うのがやっぱりアルモドバルらしい。 そしてやっぱりマザコンで気が弱そうで、無口なんだ(笑) アンドレアの顔にキカをレイプしたポルノ男優の精液がポタッと落ちるシーンはシュールで爆笑!(笑) アンドレアの、胸にライト頭に動くカメラ装備の服(ゴルチェがデザイン)も笑える。 ヨドチョーさんのレビューが最高に笑える! 『ご家族そろって子供連れで見てさえかまわない』って!!!ダメでしょ!(笑) 子供には何だかわらかない荒くれ人間関係、色情狂のタンゴ競演会って!!! この語彙力素晴らしい!さすがヨドチョーさん! http://www.sankei.co.jp/mov/yodogawa/940809ydg.html 2006.03.14 Tuesday
ライブ・フレッシュ
ペドロ・アルモドバル・セレクション DVD-BOX Cast* リベルト・ラバル/ハビエル・バルデム/フランチェスカ・ネリ/アンヘラ・モリーナ/ ホセ・サンチョ/ペネロペ・クルス Director*ペドロ・アルモドバル 原作/ルース・レンデル 「引き攣る肉」 1997 スペイン・フランス合作 多分「KIKA」の後に撮られたと思うのですが、「KIKA」「神経衰弱〜」あたりとはまた違うテイストを感じさせます。「欲望の法則」をもっとスマートにさせた感じと言うか… 3人の男と2人の女が愛憎入り乱れるのですが、まったくストーリーが混乱しないし、「欲望の法則」みたいな強引さも感じさせない。そして何よりもユーモアではあるけど毒気がそんなに無い。何か暖かな優しい思いすら感じさせる。 主人公のビクトルはこれまでアルモドバルが何度か描いて来た純粋すぎて社会に適合できない男(「マタドール」や「アタメ」「欲望の法則」一連の作品でバンデラスが演じた役)です。最初は自分をこんな目に合わせたダビドやエレナに復讐を誓うも(しかもその復讐がアホらしくて笑える)ビクトルの優しすぎる性格では無理。 何度もアルモドバルは「イノセントすぎて危険」な男を描いてきた訳ですがこれは自分の憧れに近いのかな、とか理想の男像(笑)なのかと思う。監督自体は社交的らしいので。 そんな訳で、主人公が魅力的なんだけど相手役の女性が綺麗なだけで余り魅力がないのが残念。なんでこんな人をずっと愛し続けるのか不思議、と思わせちゃいけない。 逆にクララが魅力的すぎる。 最初はただの浮気女かと思うけど、ビクトルの家で手紙を書くシーンは本当に健気で凄い愛だと思う。「私の事は愛さなくてもいい、でもあなたは幸せになってほしい」なんて簡単そうでなかなか思えない。「私もあなたも人を傷つける事は出来ても殺すことなんて出来ない」って部分も切ない。私はクララの無限の愛に惹かれる。 ラストのエレナ産気づくシーンは、ビクトルが生まれたフランコ政権の誰もいない道路と対照的ににぎわっている。ビクトルの「もうおびえる必要はない」って言葉に監督の思いを感じた。 2006.03.13 Monday
マスク・オブ・ゾロ
マスク・オブ・ゾロ 「レジェント・オブ・ゾロ」は見逃したんですが(余り見る気もなかったんだけど)ペドロ監督作品でのバンデラスの面白っぷりに惹かれて今作を今さらながら鑑賞。 今までバンデラスを「素敵」だなんて思った事なかったのですが、この作品のバンデラスは彼のチャーミングでサービス精神旺盛な部分が良く出てていいと思う。 作品自体もアクション冒険活劇として普通に楽しめる。ハリウッドでは何度もこの手の作品が映画化される訳だけど全然面白く無い作品もざらにあるし。 ただラストのチャンバラシーンは長過ぎてダレ気味でしたが。 私が一番好きなシークエンスはアレハンドロが始めてゾロとして街へ出て黒馬を盗む一連の話。このあたりのアレハンドロのおバカっぷりやらバンデラスのキュートな演技は桜木花道に通じる位アホ可愛い(笑) ペドロ監督作品を見るまで自分の中でバンデラスのイメージときたら「ストレンジャー」の ステレオタイプ化されたラテン系色悪男(笑)やら「フォールームス」の鬚の似合うダンディーラティーナ、「レジェントオブメキシコ」の存在感ゼロのラテン野郎(我ながら酷い)と余り印象的な人じゃなかったのですが、「マスクオブゾロ」のこの役柄は「シュレック2」の長靴を掃いたネコ並みにバンデラスの個性にマッチしてると思う。つまりはしゃぐ姿がこれだけ様になる大の大人の男もそういないってことです。 多分バンデラスが好きって人はセクシーフェロモンラティーナなバンデラスが好きだと思うのですが、私は余りそういうバンデラスには惹かれない。ちゃんと表現力が豊かで演技が上手い人なのでもうちょっとそういうのを発揮できる映画にハリウッドで出て欲しいなぁと思ってしまう。まぁ本人がアクションスター目指してるならそりゃ無理だけどもったいない。なんとなく思うけど、ハリウッドではやっぱり「外人」は「外人」の特性(バンデラスならそのラテンマッチョフェロモン)をこれでもかって位大袈裟に個性として活かせないと長くやっていけないのかもしれないとふと思う。 2006.03.07 Tuesday
神経衰弱ぎりぎりの女たち
神経衰弱ぎりぎりの女たち スペイン*87 監督・脚本:ペドロ・アルモドバル 出演:カルメン・マウラ、フェルナンド・ギリェン、フリエタ・セラーノ、アントニオ・バンデラス、ロッシ・デ・パルマ、マリア・バランコ、ロレス・レオン、アナ・レサ 「マタドール」「欲望の法則」ときて突然センスも良くなってあのギトギトギラギラ感(笑)が消えた感じ。 最初はテンポが遅くてアルモドバル にしては外れかなぁと思ったのですが、中盤からラストにかけてはアルモドバル 節全開!でそうとう笑わせてもらいました。 もうね、「マタドール」でもバンデラスの母親役やった人が凄い笑える!「マタドール」 でもそうとうヤバい母親だったけど、ここで敢然ブチ切れ状態(笑)あり得ない帽子に唖然、おばちゃんなのに超ミスワンピースにびっくり、トドメはオートバイで空港まで暴走するシーン!髪が風になびいてるショットがクールすぎる!(笑)しかもピストルぶっぱなしちゃったりと笑える。しかしただおかしな人が笑えるだけではないのがミソで、ラストのおばちゃんが警備員に連れてかれるシーンで呟く言葉がもの悲しい。そして結局あんなちゃらんぽらんな男を助けちゃうペパ(カルメン・マウラ)はやっぱり妊娠してたのかと納得。アルモドバルの母性礼参がここからすでにあったのねぇと思う。 ペパの住んでるアパートが今見てもオシャレ。家具とか、、、 ベランダ(でかい)に緑がいっぱいでペットまで飼っててうらやましい。そして緑とビビッドな赤(ペパの服がほとんど赤だった気がする)ってかなり合うのだと再発見。 最初見てる内は「まどろっこしい映画だな」と思ったのですが、それってこの映画がまだ携帯以前の「電話」時代の映画だから時間の進み方もゆっくりで手間がかかるんだなぁ。 今だったら全然違う映画になってそう、ってかもっと殺伐としてそう 2006.03.06 Monday
モナリザ*86イギリス
モナリザ ■出演: ボブ・ホスキンス/キャシー・タイソン/マイケル・ケイン/クラーク・ピータース/ロビー・コルトレーン/ゾーイ・ナサンソン/ケイト・ハーディ ■監督: ニール・ジョーダン ■主題歌: ナット・キング・コール ナット・キング・コールの主題歌がストーリーと映像に凄く合ってる。 この監督は先に見た「イン・ドリームス」でも「クライング・ゲーム」持ってくる音楽のセンスがいいです。もちろん映像とちぐはぐじゃなくてちゃんと自分の映画に合ってる所にセンスを感じます(たまに映像と合って無い映画と音楽ってあるから) この映画はずっと見たいなぁと思っていていわゆる「ネタ晴れ」な部分は知ってたのですが、それでも良かったです。まずあまり頭が良く無い中年になってもいつまでも「チンピラ」なボブ・ホスキンスが凄くいい。最初は粗野で嫌だわ、と思うけど娼婦であるシモーヌ同様、だんだんジョージ(ホスキンス)が悪い男でない、むしろ人が良すぎるんだと気付く。 私が泣いてしまったのは、ジョージがシモーヌが立ちんぼ時代に出演させられたビデオを見てシモーヌが激高し、ジョージと殴り合いの喧嘩になる所。 酷い扱いを受けた立ちんぼ時代のトラウマが抜けなくて、キレる程心の傷を負わされたシモーヌが可哀想で、そしてそんなシモーヌを見て涙ぐむジョージが小さな木の葉のように儚い存在に見えてくる。相手の痛みに共感するのって簡単なようで難しいとも思うけど、あの瞬間、ジョージはシモーヌの一部になれたのかもしれない。 ラストはジョージにとって無惨だったけど、そんなに不幸でもないように思う。 なぜならジョージには仲のいい男友だち(これがまたいい存在で、話におだやかなゆとりを作ってくれる)と離れてるとはいえ、娘がいるから。 でもシモーヌはファムファタルと言うには余りにも頼り無い。 ラストシーンに一瞬映される夜のネオンを車で横切るシモーヌは孤独に見える。 2006.03.05 Sunday
ジャーヘッド
監督*サム・メンデス 出演*ジェイク・ギレンホール 、ピーター・サースガード 、ルーカス・ブラック 、クリス・クーパー 、ジェイミー・フォックス 2005*アメリカ サブタイトルつけるなら「僕達の戦争」って感じだろうか。 映画のジャンルの1つに戦争ものってのがある。それは人が死んだり殺したり明らかに日常と違うし劇的だからジャンルとして存在するのだと思う。昔見て印象的だったのは戦争映画にくくっていいのか謎だけど「地上より永遠に」って映画だった。まぁ他にも「鷹は舞い降りた」とかいわゆる第二次世界大戦を舞台にした映画が印象深いし多いと思う。それらはみんなある程度エンターティメントしてたとも思う。そこには何らかのロマンティシズムがあるけど、9.11以降、戦争にロマンティシズムを求めるのは間違っているとみんな感じてる(と思う) 時代が変わると共に戦争の質ややり方も変わる。 人殺しの訓練に理性や理論はいらない。必要なのは空っぽの頭だけ。 持て余した体力をバカ騒ぎに費やして虚しく騒ぎ立てる。 人殺しの訓練をせっかく受けても、それを発揮できない鬱屈。 映画を見てて、戦争が先に生まれたのか、軍隊が先に生まれたのかどっちなのかまるでコロンブスの卵みたいだと思う。 そしてやっぱり思うのは軍隊ってまともな神経じゃいられないんだなぁと思った。 だって結局、人殺し部隊なんだし。 チャップリンの「黄金狂時代」でも皮肉られてるけど、「たった1人を殺せば人殺し。沢山の人を殺せば英雄」。 でも「ジャーヘッド」の主人公たちは沢山の人すら殺せられなくて、上の命令に右往左往、上手く伝達できてないシステムに苛々させらる。 「俺、何やってるのかなぁ」 なんて状態がずっと続くと人間ダメになると思う。 少なくとも私はそう思う。 |