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Ninth

日々観た映画についての記録と備忘録
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山中傳奇/Legend of the Mountain 1979香港
石雋/シー・チュン
張艾嘉/シルビア・チャン
徐楓/シュウ・フォン
田豊/ティエン・フォン
徐彩虹/レインボー・シュウ
佟林/トン・リン

監督:胡金銓/キン・フー



twitterから

オープニングの空、日差し、岩肌の山、大河と撮影が美しい。 
常に京劇的な音楽がかかり、映像的と言うより絵巻物っぽい。 
自然光をたっぷり取り入れた緑豊かな撮影と、人よりも寺が主役にも見える。

山紫水明、森羅万象。 まるで絵巻物様に美しい。
 夜のシーンの撮影はどうやって撮ったのか気になります。

風光明媚な景色や寺こそが主役になった映画だけど、どこ撮影したのかなーと気になってたら、韓国らしい。

いい幽霊役の女優さんが綺麗な人だなーと思ったら、シルビア・チャンで、妖艶な妖怪役が徐楓で、二人ともその後、映画製作の方に入っていくから感慨深い。

「大酔侠」「残酷ドラゴン/ 龍門客桟」はアクション入れてエンタメ寄りだけど、キンフー自体は「山中傳奇」系統のゆったりした作品が本来の持ち味なんだろうな。 
テレンス・マリックの「天国の門」「ニュー・ワールド」を思い出した。

すぐ「ぷん」とするデレのないツンツンぶりが可愛い(けどコワい。妖怪だから)徐楓/シュウ・フォン


中盤から登場する張艾嘉/シルビア・チャン
これまた美人だけど、清楚で唇が色っぽい。


しかし怖いヒロイン役の徐楓も、何故か中盤から出てくる本当のヒロイン、シルビア・チャンも、端役の侍女にいたるまで、女優さんは綺麗な人、可愛い人ばかりでうっとり。
男優は美形皆無ですが(と言うかキン・フー監督作の男優はそういう人しか出て来ないw)

| 映画*Y | 23:44 | comments(0) | - |
野蛮なやつら/SAVAGES 2012アメリカ
テイラー・キッチュ
ブレイク・ライヴリー
アーロン・ジョンソン
ジョン・トラボルタ
ベニチオ・デル・トロ
サルマ・ハエック
エミール・ハーシュ

原作:ドン・ウィンズロウ
脚本:シェイン・サレアノ/ドン・ウィンズロウ/オリバー・ストーン
監督オリバー・ストーン


アーロン・ティラー・ジョンソンってアーロン・ジョンソンか!
いつの間にかミドルネーム付いてた。 
この人は悪声なのか声が甘いのが、今回は更に甘ったるくなってた。
だからデルトロに手を触られて『女の様に柔らかい』と言われる、暴力嫌いな役にはあってるんだけど、「アルバート氏の人生」でもやはりその甘いと言うより甘過ぎる声が役柄に合ってて声が印象に残る。
このシーン、妙にエロティックで一番好きかも。

好きなシークエンスは、麻薬女王サルマと人質のブレイクが食事する母と娘的な部分だったからあんまその辺が回収されてない様な、意外とスケッチブック的な映画だな、と思う。

サルマ・ハエック、濃い目セクシーで好きなんですが、メキシコ系だから余り主役系の役につけないのが・・・残念です。

肉体担当のティラー・キッチュもかなり甘いフェイスの持ち主なんで、もっと岩みたいにゴツイ人の方が、頭脳&柔のアーロンと対になっていいんじゃないかなとかなんとか思ったり・・・

傭兵上がりの肉体担当のティラー・キッチュさん

仏教大好き、植物学者で頭脳派のアーロン・ジョンソンさん

・・・ふたりとも甘いマスクのいけめんなんで、あまり差異が無い様な・・・
テイラー・キッチュって「ジョン・カーター」しか観た事ないんですが、この人、ワイルド系とか男臭い系では無いと思うんですが・・・どうもそういう路線で売りたいんですかね。


なんでか「バベル」のチラシとかなり似てるデザインなのが気になります・・・

| 映画*Y | 20:42 | comments(0) | - |
山猫 イタリア語・完全復元版/IL GATTOPARDO 1963 イタリア=フランス
バート・ランカスター
アラン・ドロン
クラウディア・カルディナーレ
リーナ・モレッリ
パオロ・ストッパ
ロモーロ・ヴァッリ
セルジュ・レジアニ
イーヴォ・ガッラーニ
レスリー・フレンチ
マリオ・ジロッティ
ピエール・クレマンティ
ルチッラ・モルラッキ
ジュリアーノ・ジェンマ
イーダ・ガッリ
オッタヴィア・ピッコロ
カルロ・ヴァレンツァーノ

音楽: ニーノ・ロータ
原作: ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサ
監督:ルキーノ・ヴィスコンティ


twitterから


昔、TVで二時間半?位のカットされたのを観たけど、こんな話だったんだ、と新たな発見多数。
舞台となるあの時代のシチリアやイタリア史がよくわからない部分あったけど、こんなにニヒリズム溢れて厭世的だとは・・・
豪華絢爛な衣装と美術、そして美しい役者らが揃っていてゾワ〜っとする怖さと意地悪さ…

あと、この内容でありながら、こんなにホモソーシャルを感じさせ、そこが不快と快感のせめぎ合い。 
ヒロインのクラウディア・カルディナーレは最初、皆から美しい言われるけど全然気を使ってビスコンティ監督から撮られてないんだよね…まぁあの時点では新興ブルジョワの下品な娘段階だったとは言え。

クラウディア・カルディナーレ自体はグラマーベリッシマだから、男を惑わす美女には見えるけど、彼女の恋人役のアラン・ドロンや主役のバート・ランカスターが桁外れに美しく撮られてるから。 
最後の舞踏会シーンでやっとクラウディアの獣性的美貌が開花されるけど、やっぱりドロンやランカスターの方が美しいんだな。

「山猫」と言えば、ラストのこの世の贅を尽くした豪華絢爛舞踏会シーンですけど、もう寒々しくて怖いシーンだったなんて知らなかった…
みんな汗かいてるけど、体の熱とは裏腹に底冷えのするサリーナ公爵の絶望がすごい。 

観た後、もう1本観ようと思ったけど、余韻に浸りたくて止めた。
最初の方、タンクレディ(ドロン)がキラキラ爽やか美青年で違和感を感じつつ(例えるなら、ジミーさんが爽やか好青年を演じてる嘘臭さ)だんだ無自覚な陰りと思想なき野心で汚れていく「変化」にうんうんなる。

主役のサリーナ公爵役のバート・ランカスター、貫禄あってスタイルもよくて短気で、厭世的でニヒリストで・・・まぁかっこ良すぎる。
憂いを帯びた表情も短気と癇癪起こす姿もどっちもいい。
彼の隣にくると、殆どの人は小人になるけれど、アラン・ドロンと並ぶと高身長同士で映える。






| 映画*Y | 23:59 | comments(0) | - |
横道世之介 日本2013
横道世之介 日本2013

高良健吾
吉高由里子
松壮亮
伊藤歩
綾野剛
朝倉あき
黒川芽以
柄本佑
佐津川愛美
井浦新
堀内敬子
國村隼
きたろう
余貴美子

主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION「今を生きて」
原作:吉田修一
撮影:近藤龍人
監督:沖田修一


時は1980年代。
主人公の横道世之介は長崎県港町出身の18歳。
どこか図々しく人の頼みは断れないお人好しの世之介は、大学進学するために上京。
社長令嬢でガールフレンドとなる与謝野祥子、大学の友人・倉持一平、年上の憧れの女性・片瀬千春、女性に興味がない同級生・加藤雄介など周りの人々をとりまく青春物語。




全く内容やキャスト・スタッフも知らないで(今も主役の2人はちょっとよく存じない;)周囲の高評価で興味を持って観に行きましたが、大当たりでした。
まずオープニングで新宿西口マイシティ(現在はルミネかな?)に西武新宿出口が写り、変な前髪OLやらやたら肩幅の広いスーツを着た女性などの通行人やらダッサイアイドルイベント(おにゃん子っぽい見た目)が映り、そして主役の横道世之介がヘロリとお上りさん丸出しで歩いて来るシーンから掴まれました。
これはいい映画に違いない、とオープニングから実感し、その予想を裏切られる事なく、気持ちよくふわふわと、そしてちょっと切ない気持ちにさせられながら最期は何故か気持ちいい気分で久しぶりにi-Podに入れてたASIAN KUNG-FU GENERATIONのアルバムをかけながら自転車のペダル漕いでました。


おおまかな内容的には、横道世之介と言う一人の青年と彼の周囲の人間(大学の入学式で初めて知り合った同級生の倉持、世之介が憧れていたパーティーガールと呼ばれた片瀬千春、同じ大学で世之介の勘違いから友人となった加藤、そして恋人となった与謝野祥子)の「今」の姿と80年代の「過去」の姿が移されます。

与謝野祥子や加藤や倉持など「彼ら」がある事を切っ掛けに世之介を思い出すのですが、わたしは「記憶」を巡る物語りが好きで、原作が小説だけあってそういう処理が上手くできてるなーと思いました。
そして映さない部分は全く映さない。
その余白的な余韻が観客側に記憶を蘇らせる仕掛けがあるように思いました。
そういう意味で世之介はどこか非実在的と言うと変ですが、何かの象徴のようにも見えてきます。
私の中では、横道世之介とは、今まで出会ってきたちょっといい人たちの集大成のようにも見えましたし、そういう記憶を観ていて喚起させました。
たぶん、誰の記憶の中にもぼんやりといる、そんな寓話的な存在。

何気ない日常のスナップ写真を寄せ集めた様な・・・そんな愛おしくなる様な作品でした。
なので、世之介が最終的に手にしたものがカメラだったのが、とてもらしいと言うか、作品のテーマとも合ってるし、世之介自身が「カメラ」としての目を、立場を持てる子だったんだなーと実感します。

劇中で世之介は「普通の人」と言われていて、わたし的に全くそうは感じなかったんですけどね。
だってあんないい子、なかなかいないと思う。
いい子と言っても、食事中にキスをしようとしたり、ニヤニヤしてたりとちょっとアレな子ですけど、人間としていい子、って意味ですけど。
世之介みたいな子がいたら、加藤が言う通り、確かにちょっと得したな、って感じます。

この映画が良かったのは、ちょっと複雑になりそうな話の内容が綺麗に整理されてて、そこに主役として物語りをひっぱる2人がきっちりハマっていて、そして「横道世之介」と言う世界観を体現してるような撮影の素晴らしさ(クリスマスに与謝野祥子と世之介がキスするシーンのロマンティックさ、そしてラストの住宅地をしあわせいっぱいに疾走する世之介の多幸感さ)と、全てがいいように絡み合った結果だと思います。
誰かが撮った様なスナップ写真っぽい、誰なのかわからないけれど、その撮影者の想いがうっすらと押し付けがましく無く漂う画の雰囲気が素敵です。
ちょっと体温を感じさせるような温かみを感じました。


私は世之介の世代よりも一回り程度?若いんですが、この時代の事は覚えているのでねるとんとか、カロリーメイトとか、だっさいファッションとか、CHA CHA CHAとか身を捩って観てましたが、世之介世代の方や私よりももっと若い方、今、大学生の子たちにはどう見えるのかなとちょっと思いました。




| 映画*Y | 21:48 | comments(0) | - |
預言者/UN PROPHÈTE A PROPHET 仏2009
預言者/UN PROPHÈTE A PROPHET 仏2009
タハール・ラヒム

監督:ジャック・オディアール


真っ当で真面目なノワール物でありながら、青春映画でもある。
度々挿入される死んだ男との対話シーンが幻想的で美しい。
刑務所の中はある種の危険な「社会」の縮図。
移民で無学で親無しアラブ系の彼は犯罪社会でしか生きれないんだろうか。
リヤルな殺人シーンや痛そうなバイオレンスシーンがありながらも、それでも何故か爽やかさが主人公にはあって、普通に友人の子供をあやしたり、海にいるシーンでの爽やかさが印象的。
しかし出所した時の面構えはもう以前の無知で顎でこき使われる彼じゃない。
ジプシーとかアラブ系、イスラム系、コルシカ系とか色んな人種や宗教の人が入所してて多分、コルシカ系が移民でないフランス人系列なのかなぁ…
そんなコルシカ系がアラブ系らに取って変わられるムショ内政権交代もまたフランスの社会情勢を反映してるのか。
おそらくもう彼は最初に殺した死んだ男の幻影を観る事はないと思われる。
主演のタハール・ラヒムは「第九軍団のワシ」(アザラシ族長の息子)。ジャン・ジャック=アノー監督、マーク・ストロング、アントニオ・バンデラス出演の「Black Gold」でも主演してるので、フランスでは将来有望格な俳優と言う立ち位置なのでしょうか。

DVDにて鑑賞
| 映画*Y | 18:48 | comments(0) | - |
【映画感想】欲望の翼/1990香港 阿飛正傅 Days of Being Wild
欲望の翼 1990香港 阿飛正傅 Days of Being Wild
張國榮/レスリー・チャン
劉嘉玲/カリーナ・ラウ
張曼玉/マギー・チャン
劉徳華/アンディ・ラウ
張学友/ジャッキー・チュン
梁朝偉/トニー・レオン
潘迪華/レベッカ・パン
撮影:クリストファー・ドイル
監督・脚本:王家衛/ウォン・カーウァイ
 
60年代の香港を舞台にしていて、その時代の風景、雰囲気がいい。
ジョニー・トーの「スリ」も60年代の香港を舞台にしていて、あの時代が好きだと言っていたけど、なるほど、60年代の香港はそういう惹かれさせる魅力があるらしい。
この映画は以前、10年以上前に観てたけどあまり覚えてなくて見直したけど、大人になってからの方が理解しやすいと思う。
ウォン・カーウァイって人はこれまで観て来た作品でも全然がブレがなくて、すれ違い、叶わないと言ったキーワードが多いと思う。
劇中主人公、ヨディがしきりに言う「脚のない鳥」の話。
生母に捨てられ、働きもせず、無為に時間を貪り、女たちの間で時間を潰すヨディ。
継母とも屈折した繋がりがある。
憎んでいる様で、共依存しているような母子相姦的な関係。
繋がりたいのに繋がれない。
印象的な台詞やシーンがこの映画には沢山あって、上げるだけでキリがない。
感傷的な心情が香港の湿った空気と合っていて、深い、緑の森林の風景として観る者の心に植え付けられる。
(私はこの緑の森林のシーンだけ覚えていた)
まるで人の心は密林の様に、深く生い茂っているかの様に。
自由に生きたい、と思ったヨディの結末はつまりそういう事なんだと思う。
自由に生きるには代償は高い。
ひとつの場所にとどまれない者はある意味、不幸である。
とにかく好きな映画、としか言えない。
継母役の潘迪華/レベッカ・パンがとてもこの雰囲気に合ってるな、と思ったら実際60年代の香港を代表する歌手らしく、今でも現役で活躍されてるとの事。
監督の60年代香港への慕情が感じられる。
最期に台詞なく意味不明的に出て来る梁朝偉/トニー・レオンが妙にインパクトある。


 
| 映画*Y | 19:52 | comments(0) | - |
やがて哀しき復讐者/2011中・香港 報應 PUNISHED (ニュー香港ノワールフェス/新宿武蔵野館)

やがて哀しき復讐者/2011中・香港 報應 PUNISHED

アンソニーウォン/黄秋生

リッチー・レン/任賢齊

ジャニス・マン/文詠珊

マギー・チョン/張可頤 

キャンディー・ロー/盧巧音

監督:ロー・ウィンチョン/羅永昌

製作:ジョニー・トー/杜琪峰

冒頭からある程度の種明かし(結果)から始るので、サスペンス度と言うのは低いと思う。

何故、「そんな結果」になったのか映画は次第に明かして行く。

途中、だれる部分があるが、香港映画のキモである復讐の為に共鳴しあう魂と言うのが描かれていて、そこが面白い。

不動産会社社長ウォンは右腕のイウに娘を殺した犯人への復讐を依頼する。

このイウの尋常ならざる殺人能力を見ると、ウォンは手荒な事をしてきた(実際、土地売買で手荒な地上げ、嫌がらせ行為を部下にやらせている)のがうっすらと見えるが、何故赤の他人であるイウがここまで腹心ぶりなのかとも思う。

だが2人とも、子どもに対して満たされない心を持っており、その親としての不完全さと孤独さが共鳴しているのがわかるので、それだけで私には充分だった。

復讐は相手の人間の卑劣さによって次第にエスカレートし、残酷になっていくが、そんな事をしても殺された娘は帰って来ない。

その事を一番知っている筈だが、殺した相手を許さずにはいれない気持ちとその狭間で苦しむ父親役をアンソニー・ウォンが巧く演じていて、合成画面で作られたチ―プな画面とは言え、その哀しさが胸に伝わって来る。

そして最期の最期に、意外な人物が関わって来た事により、赦すか、赦さないか、と言う選択でウォンの下した決断がささやかながら救われる。

それでも彼が無間地獄で苦しみ続けるのはわかりきってはいるが・・・

| 映画*Y | 20:27 | comments(0) | - |
ユー・キャン・カウント・オン・ミー
Cast:ローラ・リニー/マーク・ラファロ/ロリー・カルキン/マシュー・ブロデリック/ジョシュ・ルーカス
Director:ケネス・ロナーガン
製作総指揮: マーティン・スコセッシ


日本未公開作品ですが、地味ながらかなりよく出来た作品だと思います。
タイトルは訳すると「私に頼っていいよ」みたいな感じなのですが、見終わると成る程なんて思います。
登場人物はシングルマザーの主人公と、浮き草のようなどこか頼りない弟。
二人とも大人なんですが、大人になりきれてないし主人公が浮気する相手の男も大人でない。そういう私も大人と呼ばれていい年令だけど全然子供の頃思い描いていた『大人』でない。
人って誰でも何か絶対のモノだったり、頼れるものが欲しいと思う。
それは大人と呼ばれる誰にも頼らなくてもいい、と認識されるモノになった時でもそう。中盤あたりで、神父が出てきて「生きる価値」がどうとか言う話が出てくるけど、全くそんなの意識してなかったけど、確かにそういう何か、を持っていないと生きていくのに立ち止まったりしてしまう。
そういった価値を持たないテリー(主人公の弟)はだから大人になっても定職も持たずふらふらとしていて性格も子供っぽい。でも人間味には溢れていて優しく魅力的だ。
でも彼は空虚で空しさを抱えて生きている。
街を出ていくとき、姉が『もう2度と会えない気がする』と弟に対して言うけど、本当に二度と会えないような、そんな雰囲気があって見ていてこっちまで不安になってくる。
ほのぼのとした雰囲気の映画ではあるけど、なんだか生きるとか生きていく価値とかそんな事を考えてしまう映画。



ラファロの次回作がケネス・ロナーガン作品なので楽しみだ!

| 映画*Y | 18:10 | comments(0) | - |
善き人のためのソナタ*06ドイツ
評価:
ウルリッヒ・ミューエ,セバスチャン・コッホ,マルティナ・ゲデック,ウルリッヒ・トゥクール,トーマス・ティーメ,ハンス=ウーヴェ・バウアー,フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク,ガブリエル・ヤレド
アルバトロス
¥ 3,730
(2007-08-03)
◆Cast*ウルリッヒ・ミューエ/セバスチャン・コッホ/マルティナ・ゲデック/ウルリッヒ・トゥクール/ トマス・ティーナ/ ハンス=ウーヴェ・バウアー
◆Director:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク


◆Story
ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台に、強固な共産主義体制の中枢を担っていたシュタージの実態を暴き、彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした話題作。監督フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが歴史学者や目撃者への取材を経て作品を完成。アカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表作品としても注目を集めている。(yahoo映画より)



監督は33歳で、この映画が映画学校卒業作品なので処女作と言う事らしい。
処女作でこの出来はなかなかのモンです。
33歳にしては作り方が手堅く落ち着いて(過ぎてる)るのでもっと年輩の人が作ってるのかと思った。

主役の真面目なオジサン役の俳優がいいです。
作品的にいい出来だとは思うのですが、少し主人公の内情や状況を描くシーンが作家カップルに比べると少ないのでどうしてこのオジサンが作家カップルに傾斜していくようになったのか曖昧だなぁと思う。
だって彼はこうした盗聴を何度もしているから、色んな人たちの生活を見てきた
(覗いてる)訳だからそうそう党に対する忠誠心も揺らがないと思うんだ。
まぁその辺りは、作家の恋人である女優に対する淡い恋心とかなのかな、と思ってみてた。
それに演じてる俳優が凄い良かったし。

ベルリンの壁、って漠然と知っていたけど内情がこんな北朝鮮みたいだとは全く知らなかった。つい最近までこんなんだったんですね、恐ろしい。
20万人が密告者ってそれって国民の殆どが密告してるって事だと思うんだけど。。。人間的に疲弊させるよなぁ。
作家の恋人である女優の姿がそれをよく表している。


主人公のオッサンは結局自分のしでかした事で左遷(?)されるんだけど、やはり淡々と生きている。
ひとり、郵便物を持って歩く姿が印象的である。
一体何を考えて、何を思って生きてきたのか。
戦争であったり、あまりにも理不尽な社会だと人はこんな風にただ生きてるロボットみたいになってしまうのかもしれない。
でもラストシーンで、ただコードネームで呼ばれた男の姿を理解してくれた人がいるって事だけで、それだけで彼は幸福なのかもしれない。

ちなみに主人公のオッサン演じた俳優さんはこの映画出演後亡くなられたそうで、合掌。
| 映画*Y | 17:13 | comments(0) | - |
山猫は眠らない
山猫は眠らない
山猫は眠らない

■Story
南米パナマ、
麻薬王から財政援助を受けている男がパナマの時期選挙に出馬するらしい。
彼が当選すればパナマ運河のアメリカ合衆国の利権が危うくなる。
そこで凄腕スナイパーとして有名な男ベケットの元に、議会がよこした狙撃の名手(だが実地経験はない)若手エリート軍人が暗殺計画を持ってくる。
かくて二人は、ターゲット暗殺のため、パナマのジャングルを歩き回る。

■Cast
トム・ベレンジャー/ビリー・ゼィン/J・T・ウォルシュ
監督:ルイス・ロッサ
アメリカ 1992


一部のマニアには有名な映画(らしい)派手なアクションは控え対照的な男二人の心理劇に徹してる部分が好きです。
特に必見はべケット(トムベレンジャー)が極限状態のミラ−に「本当に恐いのは殺した事に関して〜」この下りのシーンが好きです。
何故いきなりミラーが、べケットに銃を向けたりするのかよく理解できないのですが(朧げにこれか?といった理由はあるがそんな事で??と思う)「beautifur」と呟くシーンが何とも言えないエロティックなシーンだな、と思った。
全然色気なんて無い映画なのに(女の人でてないし)妙な色気が漂う映画だな〜とも思う。
スコープ越しの合図や、お互いの顔を見合うシーン、元来覗くという行為はエロティックな「男性的」な性欲を現す意味合いがあるので余計そう感じるのか。
ストイックすぎるベケット。
ハンサムなミラーが迷彩ペイントを念入りに鏡を見ながらメイクするシーンの奇妙な倒錯感など。
特にラスト40分の緊張感が心地いい。最初の方はちょっとダレ気味な感じがしたので(ミラーが全然緊張感が無くて。)ラスト40分からミラーの表情が全然違います。


ただ、今この状況でこの映画を見ると、政治状況的に「ええんか?」って気分になります。
他国の政治に口突っ込んで勝手に暗殺しに行く国・・・・
そういうの考えるとちょっと複雑な心境になります。

| 映画*Y | 03:08 | comments(0) | trackbacks(0) |