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Ninth

日々観た映画についての記録と備忘録
収容病棟 前編・後編/瘋愛 the madness do us part


収容病棟 前編・後編/瘋愛 the madness do us part
2013年/香港・フランス・日本
中国語(雲南語)

監督:ワン・ビン(王兵)
撮影=ワン・ビン/リュウ・シャンフイ
編集=アダム・カービー/ワン・ビン


中国南西部雲南省にある精神病院にて2013年1月から4月に撮影されたドキュメンタリー映画。
2010年に「精神病患者1億人」と当局にて発表された、中国初の精神病棟内部の撮影。
監督ワン・ビンは、何度か撮影を拒否され、2012年に雲南省の病院で許可を受け撮影を開始。





映画は前編・後編と分かれており、おおよそ4時間の長編です。
まず驚かされたのは、撮影しているとは思えない撮る側と撮られる側の距離感でした。
と言っても、みだりに被写体達に近付く訳ではなく、ある程度の距離から離れて
(なのでクローズアップはあまり無い。恐らく撮影中、彼らの表情を映したい誘惑に駆られたかと思いますが)ゆっくりと空気の様に撮影しております。
被写体たちは少しカメラを意識する素振りはありますが、すぐに自分の中に戻り、またカメラはそれを淡々と撮影します。
精神病は一見、外から見ても分からない病に思えますが、肉体の動きが見える事により、逆に人間の本能や存在と言う物を浮き上がらせている様に思えました。




刑務所の様に鉄格子の柵が設けられた収容病棟は、真ん中に中庭を作りロの字型の形状を作っております。
その狭く薄汚れたコンクリの廊下を裸足で、あるいは全裸で走る患者の後ろ姿を追うカメラ。
すでに夜更けだと言うのに、オレンジ色の電気がポツポツと灯り、談話室(らしき部屋)から聞こえて来るテレビの音。
廊下を徘徊し、気ままに放尿する姿。
夕日の様な自然光がその鉄格子に注ぎ、柵を握り、遠くを眺めながら「帰りたい」と呟く彼ら。

カメラはただ彼らの背後を追うだけで、そこにはあらかじめ用意された脚本も演出も無いと言うのに、
とても映画的な画が何度も映し出されます。
ナレーションも無く、淡々と地味に撮影されています。
それ故に押し付けがましさは無く、観た後に自然と自分の考えが浮かび上がります。

そして病棟に収容された患者たちは鉄格子の中に閉じ込められているにも関わらず、自由である事にも驚かされました。
これは観る前は全く予想してなかったです。
投薬以外は治療らしき物を受けてないのは問題だと感じますが、彼らは寝たい時に寝て、煙草を吸い、病棟内を気ままに歩き、
トイレがちゃんとあるのに、したい場所に放尿したり、あまり管理されておりません。
朝起きるのも各自ご自由にどうぞ、そんな雰囲気に放置されてる様にも見えるが、看護士や医師は患者を名前で呼び、
患者と言うよりも隣人と接してる様にも見える。

夜中に蠅がいる幻覚を見るのか、延々とスリッパで壁を叩く男性がいる。
だけどタコ部屋の如く狭い室内に詰め込まれた同室の人間たちは、そんな彼に構わない。
これが一般社会と呼ばれる場所であったら、たちまち「煩い」「黙れ」と一悶着起きそうだけど、頓着されない。
それは皆自分の世界に閉じこもり、他人や周囲に関心がないからかもしれない。
だけど不思議な優しさや思いやり、と言うと語弊だけど、暴力ではない物がここにはある。

夜、ぬくもりを求めて中年男性患者が同室の患者の布団へ入ると顔を寄せ合い、就寝前の子どもの様に、あるいは睦言の様に会話をする。
その患者以外の人でも、何故か狭いベッドにぎゅうぎゅうと男3人で寝ていたりしているが、
それは人間も他の動物達と同じ様に、他人の体温を欲する生き物なのだと感じた。
人は成長し、大人になれば一人で生活する事が出来ます。
だけど、他者の体温に触れたり、触れられる事はとても安心感を持つ。理屈ではなく、本能的な部分で。
親子程歳の離れた患者同士が、互いの手や首筋に触れ、じゃれあいながら仲むつましく会話をしている姿。
1階下では女性患者が収容されているが、その患者と恋仲(?)であり、鉄格子越しに抱擁を交わす男性患者の後ろ姿。
理屈抜きで人はどんな時でも、どんな場所でも愛を求めてしまうのだと、ワン・ビン監督の映像から私は気付かされる。
ゆったりとした空気だからこそ、その愛やぬくもりを求める姿が切実に思える。



収容病棟内にいる人たちは明らかな精神疾患を持った人もいれば、家庭内暴力を起こして家族から入れられた人、
一人っ子政策に反して複数子どもを作った人、周囲と協調できずに司法側から入れられた人、
裁判から逃れるために自ら入った人と様々な人たちがいる。
杜撰かつカオスであるが、そのカオスこそが人口が多く、発展途中の中国の姿の様にも見える。

そして、私たちの住む一般社会と呼ばれる場所では、社会秩序が上手く回る様に、学校で教育を受け、管理される。
一見、自分たちの住むこの社会が普通であり、精神病棟へ収容されている彼らは異常だと思っているが、
この映画を観ると、いい様に社会に管理されている自分たちの方が持つていた人間的な部分を失っているのではないかと思わされる。
おかしな事に、勝手気ままに放尿したり、フラフラ全裸で廊下を歩いている彼らの方がとても人間的な感情を持って生きている、と感じました。




後編になると退院した患者の後ろ姿を追いかけ、カメラは一旦外の世界へ出ます。
投薬以外に治療をされている様には思えないので、治ったと言われて退院しても再入院するのは当たり前に思える。
気ままに寝たり起きたりしていた人が、突然外界へ放り出されても適応するのは難しい。
帰りたい、と言う言葉は切実で理解できる。そして中にいた方が生きやすそうな人たちもいる。
20年も収容されている人もいるし、名前が無く恐らくここで一生を終える人もいる。
患者の「ここに長くいると精神を病む」と言のも真実だと思う。
何が正常で何が幸せなのか、何が良いのか、その境界が溶けて分からなくなる。

撮影された雲南省は貧しい地域だと記事に書いてありましたが、退院した患者の実家を観ればそれは理解できる。
寒々とした家屋、会話のない年老いた両親が住む家を一旦出ると、枯れた木や草、作りかけなのか、破壊途中なのか分からない建物。
ひと気のない、何もない、だけど自分の記憶の底にあった原風景の様な外の景色。
そして捉えられた奇跡的な一瞬に目を見張らされた。
そんなシーンが何度か出て、そして最期のシーンも原題「瘋愛」(狂った人同士の愛とかそういう意味らしい)らしい
鉄格子の中で幾許かのぬくもりと愛を求める人で終わるのでした。

 

| 映画*S | 20:40 | comments(0) | - |
殺人の追憶/살인의 추억 Memories of Murder 2003韓国
 
殺人の追憶/살인의 추억 Memories of Murder 2003韓国
ソン・ガンホ
キム・サンギョン
ソン・ジェホ
ピョン・ヒボン
パク・ノシク
パク・ヘイル
チョン・ミソン

音楽:岩代太郎
監督:ポン・ジュノ

軍事政権下で比較的治安のよかった1980年代に発生し、10人の犠牲者を出した華城連続殺人事件を元にした戯曲の映画化作品。
なお、実在の事件を題材にしているが原作は戯曲であり、映画はあくまでフィクションである。
(Wikiより)



※Twitterプラスα
未解決連続婦女暴行殺人事件と言う事で恐る恐る観た訳ですけど、OPの長閑な田園風景と田舎の子どもたち、酷い捜査方法なのにユーモラス、でも徐々に異常な犯人に追いつめられて行く刑事たちと周囲…とサスペンスであり一級の人間ドラマ。

ソン・ガンホ演じる刑事が最初の死体を見つけ覗く田んぼの側溝の闇。
クライマックスでの疑惑濃厚な容疑者が消えて行くトンネルの闇。
そして最期に刑事を辞めたソン・ガンホが再びふと覗いた空っぽの側溝。
時代を跨ぎ闇は続き、ふとした日常で再び喚起される闇の記憶。

民主化に流れ、市民の目が厳しくなり、田園風景が多い田舎町に工場が立ち並び余所から多くの人間たちが流れて来たりと、韓国が変容しつつある時期に現れた異常な犯罪。最期の女の子の言う「普通の顔」と言うのが怖い。

ソウルから来た知的刑事があの事件の後にどうなったのか気になりますね。
「ゾディアック」のトースキー刑事の様に続けてるのかなぁと想像したり。
二人の上司となるゲロ吐いてたおじさん刑事、どこかで見覚えあるんだけどどこだろうw

面白かった!と言うとアレですけど、ホント面白いと言うか技術的にも全て上手い。
題材的に陰湿でダークになりがちなのに、飄々としたユーモラスを含めて描いてて、それでも締める所はちゃんと締めてるし。
あの時代の韓国の田舎風景や民家等の美術も興味深い。

しかしあの飛翔力抜群な飛び蹴り?は一体(笑)
あの飛び蹴りだけで場の空気をガラッと変えてしまう威力。
韓国警察は飛び蹴りが実習としてあるんでしょうか(笑)

林の中で不審行為(まぁアレですよ)を働いていた男を追いかけ、皆が寝静まった田舎町を追走する二人の刑事。
民家をはぁはぁしながら抜けると、まるでそこは雪国だった、の如く忽然と夜の闇から現れる巨大な工場の灯りと労働者たち。
まるで別世界みたいに。
みんな同じ作業服でゾロゾロしてて誰が誰だかわからない。
夜の田舎なのに、こうして突如異世界の様に現れた要塞じみた工場が不気味。
無個性の象徴。
日本でもどこの世界でもある事だけど、突然の近代化、都会化。
それについていけない人間もいるんだろうなぁとぼんやり思ったり。
そう考えると、なんだかんだいって田舎刑事でいい加減そうに見えたガンホ刑事は柔軟なんだな、と思う。
この時代の韓国は社会情勢的にも揺れていて、反政府勢力の抑圧や公安対策に傾倒していて、刑事事件や犯罪捜査に手を抜いしていたのが映画でも出てくるし。
時代の裂け目を感じる。


ガンホの部下が飲み屋で暴れて、大学生と喧嘩になって脚の怪我があんな事になってしまうのは、おまわりさんは偉いと言う過去の感覚から近代的な民主化の流れの一貫として出てきたと思うし。
さんざん飛び蹴りしてた彼の脚があんな事になるのは皮肉で教訓的にも見える。


都会から来た大卒で英語も読めるエリート刑事と、田舎のいい加減捜査をするガンホ(自白の強要とか拷問したりする癖して憎めない!専らガンホしか出来ない芸当)は最初は当然対立していくんだけど、初歩的捜査ミスや、拡大していく被害、つまり国家権力を持っている刑事なのに、見えない犯人によって段々精神的にも追いつめられていく。
最初はスマートだった都会の刑事が次第に狂い、自分で否定していた自白の強要へと走って行くのが痛々しい。
この人はこの後、どうなったんだろうと心配になる。

ガンホの役は人間のしょーもなさと正直さと本来持っている善良さ・・・そんな人間味ある役柄でこれは彼しかできない役だなーと思います。

人間の営みと、あの当時の韓国社会を上手に絡めて描いていて非常に秀作だと思います。

| 映画*S | 21:34 | comments(0) | - |
殺人の告白/내가 살인범이다 Confession of Murder 2012韓国
殺人の告白/내가 살인범이다 Confession of Murder 2012韓国
チョン・ジェヨン
パク・シフ
チョン・ヘギュン
キム・ヨンエ
チェ・ウォンヨン

監督:チョン・ビョンギル


すごい面白かったです。
観る予定全く無かったのですが、Twitterでかなり評判が良かったのでまた話の内容もよく知らないで観に行きました。
そしたら色んな要素がてんこ盛りの盛りに盛りまくって映画冒頭からガラスブチ抜いて、殺人犯と刑事の激しい追跡劇から突っ走り、最期までハイテンションのまま突っ切って終わりました。
この恐ろしい程のテンションの高さ、最初から最期まで全く変わらないテンション(休み的なシーンが無い)に初見は付いて行くのがやっと、と言うか監督は見てるこっちを試してるの?と思う様なメーター振り切ったハイテンションでした。
疲れたけど、見終わった後の疲労感は全力疾走を終えた心地よい疲れを覚えました(笑)


映画は15年前の連続殺人事件から始まります。
自分がその連続殺人の犯人だったと名乗る男が時効が成立したために無罪となり、詳細を書いた本を出版します。
そのルックスの美しさとセンセーショナルな出来事から一躍メディアからスター扱いを受けますが、当時事件を担当していた刑事を挑発し・・・と言った話から色々と絡んできます。
主人公はこの刑事であり、様々な人間たちが絡んで行きます。



「殺人の追憶」を連想とさせる、と言うか元の殺人事件が実際の韓国で起きた華城連続殺人事件をベースにはしてますが、「殺人の追憶」とはテイストがまた違います。
映画冒頭の雨の中の追走劇は「チェイサー」も思わせます(この映画も華城連続殺人事件っぽい連続殺人の話だし)

監督がアクション学校出身のせいか、冒頭の雨の中の追跡劇、奇想天外なカーアクション(アクロバティックすぎて思わず笑ってしまった)等、アクションの斬新さは勿論ですが、そこに各登場人物たちの「恨」の感情がぐるんぐるんと絡み、こってりとした味付けになってます。
そしてこんな題材でありながら、結構笑えるユーモラスなシーンがあります。
他にも行き過ぎたメディアの報道の仕方や整形等、韓国社会が抱える問題提起をして色んな要素がジャージャー麺に絡むタレの様にぐっちゃぐっちゃに絡み、最期は妙に爽やかな気分で終わらせるので面白いんですけど。
劇中のジャージャー麺の使い方も上手いです(笑)

チェ班長役のチョン・ジェヨンは、口汚い言葉を吐きつつも温かみのある存在感と緩急ある演技をしていており、自然と観てる側の心を引き寄せる人だと思います。
左右非対称な目が印象的です。






【ネタバレ的なこととか】
遺族会の人たち、色んなエキスパートがいてオカシイ。
集まってる場所とかもホラー映画の殺人鬼の家みたいだし。
映画鑑賞時はパク・シフさんがアイドルだと知らなかったので、なんでこんなに舐める様に男の水泳シーン撮ってるの?とか、しかも毒蛇をプールに離してふふふ…とか随分回りくどいし、非効率的だな、とジワジワきます。
でもそういうのやりそうなキャラクターなのがまたジワジワくる。


チェ班長が三つ巴カーチェィスシーンで「正気かっ!」ってハンドル握りながら叫んでるの、あれはアドリブかと勘違いしてしまう程、観客の声を代弁しててやっぱりじわじわくる。正気じゃない事やってますから。

で、わざとやってるのかよくわからない、イケメンのバスローブはだけまくりの(海)パンチラシーン・・・狙ってるのか何なのかカオスすぎる。

主演のチェ班長役のチョン・ジェヨンは「何度か映画を鑑賞すると穴がある脚本。でも初見で気付かせない物がある」と凄い正直に言ってますけど(笑)確かにアレ?あれは?と言うシーンはあります。

J役の人、登場してきた時、え、この人、女性?おばさん??なんか睫毛濃いし、お目目キラキラしてるし、いきなりおもむろにカチューシャつけちゃってるし、と思ったけどやっぱり男性でした。
なんか韓国の役者は脇役でも顔のインパクト強烈な人が多い気がします。
しかもこのJ役がまた憎々しくて腹立だしい演技だから余計に





チェ班長役のチョン・ジェヨンさん。
役柄やオフショットの写真見るとだいぶ体重も顔も雰囲気もコロコロ変わります。
(韓国の俳優ってそういう人、多いですけど)
役者として気になります♡


| 映画*S | 21:39 | comments(0) | - |
3人のアンヌ/2012 다른 나라에서 In Another Country

イザベル・ユペール
ユ・ジュンサン
チョン・ユミ
ムン・ソリ
ムン・ソングン
クォン・ヘヒョ
キム・ヨンオク

監督:ホン・サンス




最近、韓国映画を連続して観る事が多いです。
しかもそのどれもがヒット作揃いで韓国映画、よく知りませんが最近注目してます(遅い)
あ、思い出したらハリウッド映画の「ラストスタンド」「イノセントガーデン」も監督は韓国から来た韓国人監督ですね。
これは偶然と言うより、現在の韓国映画業界の質がかなり高いんだろうなと思わされます。


そんな訳で「3人のアンヌ」は予告を観て面白そうだったのと、TwitterのTLでなかなか評判が良かったので観に行きました。
主演のイザベル・ユペールは知ってますが、韓国側の俳優や監督は全く知らないし、どんな監督なのかも今もよくわかってないです。しかしホン・サンス監督、他の作品も観たいです。



お話はタイトルが示す通り、イザベル・ユペール演じる青いシャツのアンヌ(成功してる女性監督)、赤いワンピースのアンヌ(人妻、不倫中)、離婚したばかりの緑のワンピースのアンヌと「3人のアンヌ」がオムニバス的に登場します。
しかしオープニングに登場するのは、映画学校の生徒らしい女性がリゾート地(モハンのペンション)でシナリオを書き始める所から始ります。
つまりこの3人のアンヌは彼女のシナリオの中の女性・・・しかししかしそのシナリオの中のアンヌ(赤いワンピースのアンヌ)がまた妄想やら夢を繰り替えすので、入れ子状で妄想とか虚構が織りなされ、あれ、これは誰の思考かしら、とゆったりした空気の流れでぼんやりと思う訳です。

そしてこの3人のアンヌたちや他の韓国人である登場人物たちが反復と反芻を繰り返し、でもちょっと外れたりバトン渡し的な(青いアンヌが割れた酒瓶を浜辺で見つけるシーンとか)パラレルっぽいシーンが韓国田舎風景と相まって呑気に眺める事のできる至福と言ったら。
なんだか「ふふふ」と笑ってしまう。

何もないのがいい事なのよと言わんばかりのモハンと言う韓国の田舎風景と、異国を訪れるちょっとリゾート的な開放感と、男女の微妙な機微が織りなすスケッチブックの様な作品。
でも上記の様な入れ子状でもあるので、単にスケッチ風な作品でもないのがちょっとミソなんですかね。
脱力的な作風なのに、解説や批評等を撥ね除ける、観た事、感じた事、そんな感覚をとても大切にしている自由さがすごく気持ちいい。
そんな自由な風を一身に体現している、3人のアンヌを演じたイザベル・ユペール(なんと還暦らしい)の素敵さは今さら私が言うまでもないと思いますが。
キュートで愛らしいユペールと、ぐびぐびと一升瓶飲みたい(笑)
全体的に呑気な所や、ユペールのかわいらしい風情を愛でる所とかはなんだか日本的な感覚にも近い気がします。(でも男性が色恋に積極的なのは多分、韓国的なんでしょうね。なかなか下心満載で笑えます)


カメラワークがいきなり人物にズズーッと寄ったり引いたりして不思議。
そういう所もこの不思議な雰囲気がある作品と合っているし、絵画的なショットにも見える。
あと食事やお酒を呑んでるシーンがおいしそう。
私は辛いのもお酒も呑めないのですが、どのシーンでも食慾と呑みたい欲求を刺激されました(笑)


| 映画*S | 20:45 | comments(0) | - |
嫉妬/Bye Bye Blondie 2012フランス
嫉妬/Bye Bye Blondie 2012フランス
ベアトリス・ダル
エマニュエル・ベアール
ソコ
クララ・ポンソ
パスカル・グレゴリー
ストーミー・バグジー 

監督:ヴィルジニー・デパント


TVキャスターとして成功したフランセスと、自堕落な生活を送るグロリア。
20年前、家族に反抗していた思春期に出会い、人生で初めて深く愛しあう存在となった。
大人の女性として久しぶりに再会した二人は、少女時代を懐かしむかのように互いを求め、今度こそ真の愛を育もうと同棲生活をはじめる……。(パラマウントジャパンより)



フランス映画と言えば破滅的な愛・・・しかもこの映画は女性二人の再会愛。
しかもしかも激情の女役がハマりすぎるベアトリス・ダル主演だし、ならばやはり破滅的な愛に違いない・・・
そんなイメージを抱きがちですが、この映画は壊れそうな二人の関係(既に1回少女時代に壊れてるし)にハラハラしつつも、結末はなんとも前向きで爽やかで観てよかったなーと思える作品でした。

周囲の目を気にする事のない、でも繊細な元パンク少女のダルと、社会的に成功しつつもゲイの夫と偽装結婚して己のセクシャリティを隠すべアール。
「生き方」についての話なんだなーと思いました。
と言ってもそんなに堅苦しい話ではなく、全体的にゆるゆるテンポ。
脇役も何故か存在感アリアリな黒人ドライバーとか、お掃除をするメイドなのにやたらエロティックなファッションをしてる黒人女性とか、周囲がなんともすっとぼけた雰囲気があって和みます。

大人時代(ベアトリス・ダル&エマニュエル・ベアール)と少女時代(ソコ&クララ・ポンソ)で、場面場面が切り替わります。
この少女時代がとってもこそばゆく甘酸っぱい!!!!
こんなに甘酸っぱいティーンの恋愛物を観たのは久しぶりかもしれない。
でもそこが愛おしいと思わせる。
少女時代を演じた二人のキュートさも良かったです。


ベアトリス・ダルはかなり巨大化しててビックリしました。
あと前歯がすきっ歯・・・最初、歯がないのかと思う程、隙間が空いてる。
普通なら直しそうですけど、直さない所が個性派の彼女らしい。


少女時代ではより一層際立ちますけど、メイクもゴリゴリパンクでケバケバしく攻撃的なのに、実は受け身なグロリアと、ブロンド美少女風のフランセスがクールで、グイグイ行く立ち位置がなんか面白かったです。
あと基本的に二人ともパンツファッションが多いなーと気になりました。


邦題の「嫉妬」は余りにも内容にそぐわない。
原題の「Bye Bye Blondie」は結末を観れば納得かつ爽快なんでこの原題、素敵です。



| 映画*S | 23:22 | comments(0) | - |
ジョニー・トー 香港ノワールに生きて/JOHNNIE GOT HIS GUN! 2010 フランス =香港= 中国
ジョニー・トー/杜 琪峰 
サイモン・ヤム/任達華 
レオン・カーフェイ/梁 家輝 
アンソニー・ウォン/黄秋生 
リッチー・レン/任 賢齊 
ルイス・クー/古天樂 

監督: イブ・モンマユー



twitterから

ドキュメンタリーです。
私が観た回は、おまけで「強奪のトライアングル」監督3名のインタビューが入ってるのを
観ました。
(コレは香港版「強奪のトライアングル」の特典映像に入ってるのと似てる様な・・・)

「エグザイル/放・逐」のホテル室内が銀河電影会社ビルの屋上でセット作って撮影には
ビックリ。
 画面全体がセピアカラーだから、ライティングとどうやって撮影したのか気になります。

インタビュ答えてるのはトー監督は勿論、サイモン・ヤム、レオン・カーフェイ、アンソ
ニー・ウォン、リッチー・レン、ルイス・クーに撮影監督。特典映像でリンゴ・ラム、ツ
イ・ハーク…あと誰かいたかな。ほぼ皆さんルイス以外英語で喋ってます。
香港の人は土地柄、殆ど英語が喋れるのか、それとも勉強してるのか・・・


意外と「トライアングル」監督三人組は、トー監督が率先してムードメイカー的な…一番年上
なのかな。 
「システムが変わって若い人が学べる環境がない」と言うのはどこの国も一緒ですね。

「スタイルが無いと撮り続けられない」と言うのも映画に限らない話。
全くその通りだと思います。

「生まれも育ちも香港だから香港を舞台にした香港の話、映画が撮れる。香港の事はよく
知ってるんだから」この言葉は、香港出身の監督の強い自負が伺えます。
 大陸に返還されて、大陸映画会社の事も念頭にあるんでしょうね。

「エレクション」の背景、つまり香港ヤクザ事情について語ります。
人口600万人?の内、30万人がつながりがあるって多いのかな? 
わたし的には多いなぁと感じます。
それだけ一般人と黒社会構成員のボーダーが曖昧かつグレーゾーンなのでしょうか。
つまり普通に、黒社会の構成員が知り合いに誰かしらいる、と言う事になるのかな、と。
で、その事に関して「エレクション/黒社会」の冒頭シーンを思い出しました。
冒頭シーンで、香港黒社会の歴史について語られるのですが、その成り立ちが面白いく興味
深かったです。

あまり極道社会の事は知らないのですが、日本の極道社会も香港の黒社会と一緒で、最初は
地元に密着した相互扶助的な役割を「一般の」人たちと保ってきたみたいで、香港の黒社会
もそれと同じ生い立ちかつ、よく古い香港武侠映画に見る「江湖」の世界が混じった感じで
す。

「江湖」・・・中国の大衆小説の中で大きな位置を占める武侠小説の中において、武術を身
につけて結束、団体化した人々が所属する一般社会とは異なる特殊な社会のこと。
『水滸伝』が起源と言われているものの、定かではない。※架空の世界(Wikiより)

武侠映画は日本で言えば「時代劇」になると思うのですが、私には日本の時代劇とはまた感
覚が違う感じがします。
まぁその辺は長くなりそうだし、枝分かれしそうなんで置いときます。

まぁそういう土着的な物と「江湖」の世界では、強い者が強いんだと言う、世界が合わさっ
たイメージを「エレクション/黒社会」で抱きました。


金儲け主義の残酷で、仁義も兄弟愛もないタイプは嫌悪感しかないとの話。
トー監督はよく黒社会物を扱うから、ちょっと意外です。


| 映画*S | 21:19 | comments(0) | - |
戦場のメリークリスマス/Merry Christmas, Mr. Lawrence 1983 日 英 豪 ニュージーランド

デヴィッド・ボウイ
坂本龍一
ビートたけし
トム・コンティ
ジャック・トンプソン
内田裕也
三上寛
ジョニー大倉
飯島大介
室田日出男
戸浦六宏
金田龍之介
内藤剛志
三上博史

監督:大島渚
原作:ローレンス・ヴァン・デル・ポスト



twitterから


ヨノイ大尉の中2男子っぷりと乙女っぷりに私も卒倒しそうになった!

10年前に観てたけど、こんなにあからさまに男色映画だとは思わなかったな・・・と思ったけど、10年前の記録ノートには冷静に男色映画、と書いてあったw
昔の自分の冷静さが不思議w

しかし坂本龍一のメイク、なんであんな濃いの。
笑いそうになるレベル。
(10年前の自分はこの化粧の濃さを、普通に観てたから不思議・・・)

何故かやたら化粧の濃いヨノイ大尉とか、しょっぱなから剣道着みたいなの着て登場するヨノイ大尉とか、アホみたいに切腹しまくる日本軍人とか、ギャグ!?と最初の方はちょっと吹き出すの堪えるの大変でしたね。
あの時代ってあんなに武士道?とか切腹とか当たり前だったのですかね…嫌だわ

「絞殺刑」と一緒に上映されてて国家対個人って部分では被る部分もあるけど、さらにそれプラス、制服・規律・それ故のホモソーシャル→男色って部分では「御法度」を彷彿とさせるなーと思う。

最初はギャグ!?と吹き出すの我慢してましたけど(ヨノイ大尉、と言うか坂本龍一の化粧の濃さとか、やたら切腹しまくる日本軍人らとかモロモロ)段々日本も戦局が怪しくなって狂気に走り始めたあたりから笑いは収まり、そして最期のシーンでなんだかよくわからないけど、涙が溢れてきたけどなんででしょうね。

私は一目惚れってよく分からないんですけど、ヨノイ大尉がデビッド・ボウイ演じるセリアズに一目会った時から、もはやそれは恋でしょ!?と思わざるをえない視線をあからさまに投げかけててその直球さに観てるこっちが焦ったり赤面させられましたね。

恋しちゃったヨノイ大尉ってば、早朝から怪鳥音ならぬ気合い入れ奇声上げて真剣で稽古しちゃって溢れる思いを押さえら無い!みたいな感じで中二男子っぷり。
しかも自分の怪鳥音にセリアズの反応は?と聞いちゃったりますます中二すぎてもう…周囲やセリアズにモロバレしてるし。

でも本人は自分の恋心に気付いてないのがまたアレと言うか…
セリアズの遺髪を神社に祀っちゃったりともうなんかヨノイ大尉の精神構造が私には謎すぎるw 
なんかとても海外の人から見た日本人って感じがします。

たけしが可愛い顔をしていてスゴいビックリしましたね。
今流行の黒目が大きい。
粗暴なんだけど細かい部分で気付いたり、人間的な部分があるあの役には合ってたなーと思います。
ボウイは美しいですね…途中アナカン風な眩しすぎる制服姿やお花に囲まれる姿に目が潰れそうに。

wiki情報でヨノイ大尉に沢田研二がオファーされてたと知り、実現してたらボウイと沢田研二の並びってなんか凄い・・・


| 映画*S | 20:27 | comments(0) | - |
ジャンゴ 繋がれざる者/Django Unchained 2012アメリカ
ジェイミー・フォックス
クリストフ・ヴァルツ
レオナルド・ディカプリオ
ケリー・ワシントン
サミュエル・L・ジャクソン
ウォルトン・ゴギンズ
ドン・ジョンソン
デニス・クリストファー
ブルース・ダーン 
ジェームズ・ルッソ
フランコ・ネロ
ジョナ・ヒル 
ゾーイ・ベル
ロバート・キャラダイン
クエンティン・タランティーノ

監督・脚本/クエンティン・タランティーノ

アカデミー助演男優賞/アカデミー脚本賞受賞




twitterから

面白かった!!!!!! 
脚本がしっかりしていて素晴らしい。
これこそアカデミー作品賞に相応しいと思うんだけどなぁ。
タラちゃん、今だキワモノ扱いされてますけどもうすっかり安定のエンターティメント監督だと思う。
先が読めなくてハラハラ&集中して観てたせいで、ちょっと疲れましたね。
多分2回目観たら、安心して、でももっと色々な部分で楽しめると思う。
やはりタランティーノ作品なんで、目を背けたくなるような残虐なシーンはあります。
でもあの残虐さは描かないといけない必然性がある残虐さで、そういう部分も含め誠実な映画だなぁと思います。

ほんの昔までこんな蛮行がまかり通ってた事を考えると、ナチスも含め人間ってケダモノだから気をつけないとね〜となりますね。
ホント、黒人奴隷のあり方って怖いし、気を抜くとまたこんな有り得ない思想を持つ人が出てくる世界なんで、笑えないから怖い。

黒人奴隷制度と言うテーマだけに、あまり悪ふざけしてる感じはないですけど、皮肉を皮肉に感じさせないユーモアや手際のよさと選曲のよさに感心します。 
あとやはりバイオレンス描写は洗練されているけれど、ちゃんと痛そうでいいですね。
主人が撃たれてその鮮血を浴びて走る白馬とか素晴らしく美しい。

そんなバイオレンスシーンもありながら、すごくロマンティック。
ロマンティックさが柱となってそれが全編通して貫かれ、主人公の軸となってる。
師匠から弟子への継承とか(でも対等な関係なんだよね、師が弟子をリスペクトしてるの)愛する女の為に命を賭ける男とか、ロマンです。

カルヴィン・キャンディの唱える骨相学って何でも応用できる科学の皮を被った非科学言説で、今の時代もたくさん溢れていて溜息しちゃう(´-`).。oO(

春にスピルバーグの「リンカーン」が公開されますが、「ジャンゴ」、そして「クラウド アトラス」と身分制度による差別、と言うのが立て続けに公開されてる様に感じますが・・・そういう時流なのでしょうか。


・・・・ネタバレ・・・・


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| 映画*S | 19:37 | comments(0) | - |
ゼロ・ダーク・サーティ/Zero Dark Thirty 2012 アメリカ
ジェシカ・チャステイン
ジェイソン・クラーク
ジョエル・エドガートン
マーク・ストロング
クリス・プラット
カイル・チャンドラー 
テイラー・キニー 
マーク・デュプラス
エドガー・ラミレス

監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
製作:マーク・ボール/キャスリン・ビグロー/ミーガン・エリソン


「ハートロッカー」と地続きな位置づけが私の中にはある。 
静かな、黒い溶岩の様なパッションがヒロインの中にグツグツと蠢いている。
ビンラディンを主題に置きつつパーソナルなひとりの女性の物語。
 新しいタイプの女性映画。
今までの女性映画と言えば、恋に仕事に・・・みたいな雰囲気が多かったけど、そうじゃない女性も世の中にはいる訳で。
また、冷徹で上司すら恫喝する人格にも少々問題ある女性(でも人とは違うからこそ、善悪の判断は置いておいて組織を動かす事が出来た)が何かを成し遂げる、と言うのも新しいタイプのヒロインかもしれませんね。

ビグロー姐さんの視点はマヤとラストで重要になってくる兵士たちなんだよね。
あくまで現場主義であり、兵士たちに関してはフェチかと思える様な荒ぶる男たちに愛を感じてる気がする。

ヒロインのマヤは現場の人間じゃないんで、このシーンでは全く出て来ない傍観者な訳だけど、手を汚さないで観てる、と言うのがまた何かもやっとします。
彼女の判断と命令でこれだけの人数の男たちを動かしてると言う特殊な状況。

しかし捉え所がないと言うか、変な映画ではあると思う。
この映画を観て、CIA素敵っ!とは思わない所かかなり杜撰でいい加減な集団である。
確信がない中、突撃。
子供たちの前で殺して「怖がらないで」なんてあり得ないし、無茶苦茶である。
正義の名の下に 住居不法侵入してるし、恐ろしい。 

正義なんてどこにもない滑稽さ。
でもマヤはマヤの信念に突き動かされて動く。
人それぞれ違う信念の中で。

名前を知ってる俳優はジェシカとマーク・ストロング位なんですけど、ビグロー監督は何気ない人でも美しく撮れる技術があるのか。



今回は髪(有)なマーク・ストロングさん。
「ワールド・オブ・ライズ」では中近東系を演じ、今回はCIAアナリスト・・・と髪の毛から人種まで多種多様なカメレオンっぷり。
始終鬼部下チャステインに追いつめられてる・・・


| 映画*S | 00:59 | comments(0) | - |
【映画感想】最終目的地
最終目的地 The City of Your Final Destinationアメリカ 2008
アンソニー・ホプキンス
ローラ・リニー
シャルロット・ゲンズブール
オマー・メトワリー
真田広之

原作  ピーター・キャメロン
監督 ジェームズ・アイヴォリー


女優2人の衣装や緑美しい邸宅が美しい。人間は河の様に、自分でも予想できない「流れ」に流され生きるものだな、とまるで永遠かと思われる時の流れの中で気付かされる。
そこには終わりなんてなくて、はじまりも終わりも分からない人生だけが続く。だからこそ生きる事はささやかながらも愉しい。
ローラ・リニーのエレガントなマダム風衣装や宝飾類にサングラス、そしてブロンドの髪。対照的にまるで少女の様な頼りなさが残るゲンズブールのガーリーなワンピースにロングブーツファッションが見ていて楽しい。
真田広之の腰のくびれは今作一番のお色気シーンですね。あのヴィーナスの様な脂の乗った腰つき…美は男女に問わず宿る物である。セックスなんてしなくてもただ眺めるだけで満足できる。
アダムは歳の離れたピートを恋人と言うよりも子ども扱いしていたけど(養子にしてたし、出会ったのがピートが14歳位だし)ピートはアダムが考えるよりも商才があって賢くてちゃんと自立した男になっていた事に気付かされるのがなんか好きだ。
| 映画*S | 18:34 | comments(0) | - |